「トイレが汚い外食チェーン」の株は買うべきか カリスマ投資家Bコミさんの負けない投資術
私が注目するのは、やはり企業の業績です。そのためにも、これから注目度が高まると思われる業種やテーマを探します。そうすれば、業績がピークに達する前に投資できるため、株価の上昇余地も大きくなるからです。
なぜ「テーマ株」に安易に飛びついてはいけないのか?
ただし、テーマ株に投資する際には注意点があります。それは話題先行で買われている銘柄には手を出さないことです。ネットなどで急浮上テーマとしてはやされているものに手を出した場合、高値づかみをして取り残されてしまうリスクも大きいと思います。また、人気テーマのなかには、「量子コンピュータ」や「全固体電池」など、新しい技術が実用化され、実際に収益を生むまでには、5年、10年を必要するものが少なくありません。
ところが株式市場はニュースを先取りするため、新技術に対する噂が浮上すると、その技術が実際に使われるにはまだ数年先なのにもかかわらず、期待先行で「何々関連」とされる企業の株式に買いが集まりがちです。
つまり5年先、10年先に生じると思われる利益を織り込んで、株価が形成されてしまうのです。そのような銘柄を、特定のテーマの関連銘柄として買ってもいいのかどうか。このように、中長期投資家が犯してしまいがちな失敗は、収益を生むまでに長い年月がかかるテーマであるにも関わらず、中長期的な視点で銘柄を選んでいることを免罪符にして、数年先の利益をも織り込んで形成された高い株価水準の銘柄に投資してしまうところにあるのです。
このような期待先行の株価上昇は長続きしません。ちょっとした期待外れの材料が出た途端、一気に売りが出て株価が急落し、大損を被る結果になります。それでも強い意志でテーマの未来を信じて保有し続けられれば、どこかで報われることもあるかも知れませんが、大半の人は心が折れて売ってしまい、マーケットからの退場を余儀なくされます。したがってテーマ株に投資する場合は、しっかりした実需を持ち、地に足が着いている会社に注目するようにしています。
たとえば電気自動車関連の銘柄に投資するとしたら、私なら実際に電池の製造に関連している会社を選びます。なぜなら電気自動車が売れれば売れるほど、電池に対する実需が高まっていくからです。具体的に言うと、アメリカの自動車であるテスラ1台に搭載されている電池は500キログラム、日産自動車のリーフでも300キロもあります。そこで「電池の材料でもまだコモディティー化していない正極材や負極材、セパレーターなどを製造しているのはどこか?」という視点で、ひとつひとつ、企業の吟味をしていきます。
またセクター(業種)ごとの業績の伸び具合から、個別の銘柄に落としていくという方法もあります。今年度に比べて、来年度の業績見通しが大きく伸びる可能性のある業種はどこかをチェックし、そこから個別銘柄を見つけていきます。
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