人気の「紀ノ国屋ジッパーバッグ」意外な用途 高級スーパーを支えるグッズ戦略
現在はオンラインで購入できるようになったものの、「東京、神奈川限定」という地域限定ブランドであることは、消費者の渇望感を刺激する1つの要因にもなっているだろう。
また、店舗でスタッフが耳にした顧客の声がしっかりと吸い上げられ、商品化につながる社風もジッパーバッグ人気の勝因につながったかもしれない。「店舗のスタッフと営業のコミュニケーションはしっかりとっています。もちろん、1人2人の声だけで動くことはなかなかできませんが、複数になってくると、私たちも無視はしません。いつもできるだけお客様のニーズに応えようと思っていますね」と、坂井氏は話す。
同社にとってオリジナルグッズの位置づけは、まずは「他社との差別化」。そして新しいグッズを出すことで注目を集め、客足増加につなげたいとの思いがある。
消費増税に伴ってジッパーバッグ値上げ
現在店舗は青山、国立、等々力、鎌倉、吉祥寺の大型店に加え、百貨店内の店舗、駅ナカ店、ベーカリーなど東京、神奈川に大小30店を構える。駅ナカなどの小さな店舗では手に取りやすい価格帯を中心にそろえ、若い人を取り込むことにも力を入れている。そういった意味では、今回のジッパーバッグは普段の客層とは異なった層にリーチしており、戦略としては成功といえるだろう。

紀ノ国屋は、1910年、青山に果物商として創業して以来、来年で110年を迎える。11月1日には、渋谷に31店舗目となる新業態の店舗、「グルマンマーケット紀ノ国屋 渋谷スクランブルスクエア店」をオープン予定だ。節目を向かえる同社は、今後どのような方向へ進んでいくのだろうか。
「私たちはあくまで食品会社なので、中心にあるのは食品。グッズを出すとしても食品関連に絞って力を入れていきたいと思っています。今後の目標としては、まずジッパーバッグを欠品させないことですね。中国で製造しているのですが、10月と2月は国慶節で工場が休みになってしまうので、今から調整しています。あとは、来年のオリンピックで限定モデルのジッパーバッグを出せたらいいですね」(古山氏)
ちなみに、これまでお得感がウリだった同社のジッパーバッグは、10月の消費増税を機に1パック200円に値上げする。これまで3年間価格は据え置いてきたが、「原材料価格や、人手不足によって海外で製造した商品を乗せた船の停泊料が上昇している」(古山氏)ことが背景にある。
新たなサイズ展開やデザインにより、これまでになかった用途を開拓した紀ノ国屋のジッパーバッグ。商品としては地味かもしれないが、商機は意外なところに転がっており、それを見逃さなければ今でもモノは売れるということではないだろうか。
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