「レンタル彼氏」を利用したら驚きの連続だった 横浜みなとみらいで2時間のデートコース
「みーちゃん、冷たくなっちゃってるね。待たせちゃったから寒くなっちゃったね。ごめんね」
冷えているはずの手が、緊張のせいで汗ばんでしまいます。
「どの辺に住んでるの?」とか、「趣味は何?」とか、「好きな音楽は?」「昼間はどんな仕事してるの?」など、少しずつ緊張を解きほぐすかのように、お互いのいろいろを話しながら、あっという間に遊園地に到着しました。
遊園地にどんな乗り物があるのかわからなかったので、一緒に園内マップを見て、絶叫や目が回る系が苦手な私の乗れそうな、ゆるいアトラクションにいくつか乗りました。
あっという間に40分が経ち、いよいよ観覧車へ向かうことに。ひとり勝手に緊張が高まります。
カナトは人気の“彼氏”で、もう1年近くこの仕事をしているそうだけれど、「女性に免疫がバリバリある」という雰囲気はまるでありません。
「女性に慣れてない感じって伝わっちゃった? 女心がわからなくて過去にもプライベートで失敗しちゃったこと沢山あって、少女漫画とか、『テラスハウス』とか、いろいろ見て勉強してるんだけど、俺そもそも女性に対してのセンスがそんなないんだと思うんだよね(苦笑)。だから一生懸命でも上手に伝わらないことが多いみたいで。この仕事して、女性について勉強になること沢山あるんだ」
カナトは、名門大学を現役卒業の後、大手企業に勤務する現役サラリーマンだといいます。そんな会話をしながらいよいよ観覧車へ乗り込みます。
先に私が促されて乗り込み、後からカナトが入ります。カナトは向かい側ではなく、私の真横に並ぶように座りました。
プロポーズを心待ちにしていたが…
横浜の夜景が目の前に現れ、上昇するにつれて、今か今かとドキドキしはじめる私。
動揺しながらも、「わぁーほら高いねー」「ランドマークタワー大きいねー」とか、「夜景きれいだねー」とかたわいもない話から、会話が弾みます。
会話が弾むにつれて私は、「どんな悩みを聞いてあげることが多いの?」とか、あれやこれやと質問しまくってしまい、そして気がつけばテッペンを通り過ぎてしまったのです!! バカ私! 大馬鹿!! 結局、観覧車プロポーズの機会を逃してしまいました……。
カナトよ、話をしていたとしても、観覧車のテッペンにきたら私の口を封じてプロポーズしてくれてもよかったんじゃないか!?
この日は、はじめの1時間は遊園地で遊んで、後半は近くの眺めのいいバーで軽く飲むことに決めていました。ラストチャンスは、このバーしかありません。
バーでは夜景を眺めながらのカップルシートに座りました。
私は普段は飲まないような可愛らしいカクテル、カナトはビールをオーダーして、気怠く流れるジャズを聞きながら、学生時代の話とか、仕事の話とか、お互いのたわいもない話がまた続きます。
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