ソニーはストリンガー会長が社長兼務、エレキ直轄し再建急ぐ

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ソニーはストリンガー会長が社長兼務、エレキ直轄し再建急ぐ

経営再建中のソニーが新経営体制を発表した。

中鉢良治社長が代表権を持ったまま副会長に就任し、社長職はハワード・ストリンガー会長兼CEO(最高経営責任者)が4月から兼任する。ストリンガー会長の指揮力を高め、エレクトロニクス(エレキ)事業の収益化や、ゲーム機を基盤とする新ビジネスの育成を急ぐ狙いだ。

合わせて発表された組織再編では、ゲーム機とパソコン、ネットワーク関連サービスを柱とする事業グループが新設された。グループ統括を務める執行役EVPは、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の平井一夫社長が兼務する。

一方、赤字が膨らむ液晶テレビや収益力が急低下しているデジタルカメラなど、従来のエレキ事業グループの統括は、吉岡浩・テレビ事業本部長が副社長に昇任して務める。現副社長の井原勝美氏は6月に退任する。テレビ事業本部長は、パソコン「VAIO」の石田佳久・本部長が務める。

ストリンガー会長は、平井・吉岡両氏に直接指揮を下すことで、自身の統括力の強化を図る。今後は組立生産や低付加価値の設計段階の外部委託を拡大し、自社工場を極力持たない「アセットライト」戦略を加速する見通し。平井氏はSCEで、吉岡氏は携帯電話合弁会社のソニー・エリクソンで、外部生産モデルのマネジメントに馴染んでいることが評価された。

2月28日の会見で、ストリンガー会長は、新体制移行に合わせて不採算事業からの撤退も断行することを示唆した。今回は個別事業の存続について明らかにされていないが、5月の決算発表の場などで事業撤退とそれに伴う人員削減、資産売却等の計画が示される余地がある。

「東洋経済オンライン」は現時点では表記どおりの従来予想を維持する。
(杉本 りうこ)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
◎本2008.03  8,871,414 374,482 466,317 369,435
◎本2009.03予 7,700,000 -260,000 -200,000 -150,000
◎本2010.03予 7,000,000 -150,000 -160,000 -140,000
◎中2008.09  4,051,349 84,487 70,229 55,793
◎中2009.09予 3,000,000 -120,000 -125,000 -100,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
◎本2008.03  368.3 25 
◎本2009.03予 -149.5 50特
◎本2010.03予 -139.5 20-25 
◎中2008.09  55.6 30特
◎中2009.09予 -99.7 10-12.5 

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