ヤフーのZOZO買収がアマゾンを意識する理由 セブン、ユニクロに並ぶ対抗馬になるかも
そもそもZOZOに関しては「アパレル各社のZOZO離れが進んでいる」など、よくない評判がこのところ株価の下落要因となってきていたのですが、売り上げを見れば順調に毎期増収を重ねています。最新のZOZOの2020年度第1四半期決算も増収増益。ファッション領域に特化する形で4強とはまた違う強さを見せつけているのがZOZOの真実の姿です。
ZOZOの最大の強みは、国内のほかのどの会社もやってこなかった物流インフラへの巨額投資とその成功です。アパレル商材は卸レベル、小売レベルどちらも倉庫や物流のハンドリングの仕事量がものすごく大変で、かつコストをものすごく圧迫するものでした。ZOZOがいちばん成功したのはそこに先進のIT投資をして、競合の誰よりも低いコストと高い生産性でアパレル商材を扱えるようにしたことです。
ZOZOの配送料は全国一律200円。アマゾンプライムの送料無料と比較して一見、劣って見えるかもしれませんが、アパレルというそもそもコストがかかってかかって仕方がないジャンルでこの物流コストに抑えられているのはものすごいことです。そして物流インフラに投資ができていない楽天市場やヤフーショッピングで当たり前のようにかかる500円から900円の送料と比較すれば、ZOZOの強さはぬきんでています。
そもそもアマゾン・ドット・コムがなぜアメリカであれほどの成長を見せたのかというと、これと同じメカニズム、つまり自宅に商品を届けるという手間がかかる分野に巨額の投資を行うことで、競合他社のどこもまねのできない優位性を築き上げたからにほかなりません。
アマゾンが買収によって倉庫を手に入れた
確かにアマゾンの倉庫は異様です。巨大な倉庫の中に人間はあまりいない。無数の車輪のついた棚が動き回っていて、作業員たちは目の前にやってきた棚から商品をピックアップしつづける。しかし意外と知られていないことですが、この驚愕の仕組みはアマゾンが独自で作り上げたというよりも、むしろ買収によって手に入れた仕組みなのです。
2005年にアメリカで創業したダイパーズ・ドット・コムというEC会社がありました。ダイパーとは紙おむつのことで、この会社はこういった補充が必要になる日用品をネットで販売するいわばアマゾンの競合会社でした。この会社を見学に来たアマゾンのCEOジェフ・ベゾスはそのオペレーションに感動したといわれています。この会社の倉庫ではロボットが働いていたのです。
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