美味さ倍増!料理と酒の「最高の組み合わせ方」 “食中酒"をもっともっと楽しむ技術
カジュアルな焼酎から神々しい高級ワインまで、お酒はそれぞれに異なる魅力があります。お酒それ自体がおいしいものですが、「食べ物のおいしさに気づかせてくれる」という実力も持っています。お料理にぴったりのお酒を合わせることで、そのおいしさが何倍、何十倍にも膨らみます。
しかし、日本ではつい最近まで、お酒と料理の組み合わせについてはどこか無頓着でした。日本酒にしても焼酎にしても、「この料理にはこのお酒を合わせよう」という概念がなかった。お酒と食が結びついていなかったのです。
欧米と日本では食事とお酒の捉え方が違う
欧米などでは、料理に合わせてお酒をチョイスする“食中酒“の文化が、昔から根付いていますが、なぜ日本ではその概念が生まれなかったのか。これには、いくつかの原因が考えられます。
第一に、さまざまな料理がずらりと食卓に並ぶ家庭料理や、少量ずつたくさんの料理が登場する懐石料理といった、日本ならではの食形態がその理由の1つ。例えば、茶懐石。これは、ずらりと並ぶ“当て”でお酒自体を堪能するシステムで、飲んだ後に食事(ご飯)、お菓子とお茶をいただく形式になっています。これらに、あれこれ違うお酒を合わせるのはどうにも無理があります。
一方、1つの料理をある程度の量、しっかり食べる欧米の食形態では、「前菜のカキにはシャンパンを」「鶏肉のワイン煮込みにはブルゴーニュの赤を」などと1つの皿に1つのワインを合わせやすいのです。こうして欧米と日本で、食事における酒の捉え方が違ってきたのです。
また、第二に、日本人が「お酒の楽しみ=酔っ払うこと」という点を重視してきたことも大きいでしょう。食事のメインはお酒であり、お酒の邪魔をしないものであれば、もしくは、お酒をおいしくしてくれるなら、料理はなんでもいい――。そう考える人も少なからずいたと言って過言でありません。また、逆に料理をメインにするときには、いわゆる水のごとく癖のない、口を洗い流してくれるようなお酒が求められました。
しかし、最近では、「お酒×料理」の概念も様変わりしました。「料理とワインの妙を味わう」といった“食中酒”の発想が広がり、日本酒にも焼酎にもその発想が取り入れられてきました。
また、日本は和食以外にも、さまざまな料理を日常的に楽しめる世界でもまれな国。今後よりいっそう「料理×お酒」の組み合わせの妙を、多くの人が日常的に楽しむようになるはずです。
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