バス・鉄道「共通1日乗車券」、普及すれば便利だ

欧米の「ゾーン運賃」には見習う点が多い

日本の大手私鉄は、バス会社としてもかなり大手となる、地域内では独占的な路線網を張り巡らせている会社を傘下に持っている。鉄道のみならず、バス、タクシー、さらには流通業、不動産業など、さまざまなグループ企業の集合体が、日本の私鉄の一般的な姿だ。

小田急のような日本の大手私鉄は、神奈川中央交通のようにグループ内にバス会社を抱えている(筆者撮影)

言い換えれば、純民間企業である大手私鉄が地域住民の生活に欠かせないインフラの多くの部分を支えている。「ガラパゴス」と言われようが、歴史的な経緯もあって、日本の大都会はこのような都市構造の下で育ってきたのだ。

これは諸外国には見られない、日本の大きな特徴だ。西欧やアメリカではインフラの整備、維持には、政府や地方自治体が必ずと言ってよいほど関与している。民営化も進んではいるが、日本のような鉄道関連企業グループを形成しているわけではない。もちろん日本でも地域行政との綿密な連携は必要とされているが、基本的に営利企業が公共性にも配慮しつつ事業を進めている。

欧米で一般的な「ゾーン運賃」

この「私鉄とそのグループ企業によって、地域の交通網が支えられている」実情を踏まえ、活用したうえで、より便利な運賃制度へ転換できないだろうか。欧米の都市交通では「ゾーン運賃」が一般的である。これは都市の中心部から同心円状に運賃ゾーンを定め、ゾーンをいくつまたがるか、によって運賃を簡素に定める方法だ。

その代わり、乗車券の有効時間内(例えば2時間以内)であれば、ゾーン内の鉄道、バス、LRT(ライトレール)などの公共交通機関が、経営主体にかかわらず乗り降り自由で、利便性は高い。簡素である分、スマートフォンとの親和性も高く、多くの都市においてアプリを使った乗車券購入もできる。

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