「口先だけの若者」になぜメンターがいないのか

「居心地悪い」学びこそサードドアにつながる

この先、5GやIoTは新たな産業革命レベルに広がりますし、時代は大きな転換期の狭間、まさに幕末だと僕は思っています。日本のビル・ゲイツが生まれてもおかしくないタイミングです。

そういう意味で、スタートアップが盛り上がってきたのはよいことですが、もっと先を見てほしい。失うもののない人のほうが絶対的に優位なんですよ。GAFAだっていまや失う脅威を抱えています。準備するなら千載一遇のチャンスだと思いますよ。

『サードドア』のアレックスは、いろんな人に果敢に会いに行きますが、とくに若い人には、面倒がらずに人と会って話してほしいですし、居心地の悪い場所で「人」を学ぶ必要があると思っています。

今はコミュニケーションツールを使って、自分と賛同してくれる人とだけ付き合う、居心地のよいコミュニティーを簡単に作れる時代です。

しかし、そこでは「人」を学ぶ機会がない。違和感のある他者から肯定されるという体験もできませんから、これが本当の自分なのか、虚偽の自分なのかがわからなくなってしまう。

居心地が悪くとも、人に会わなければ学びはありえません。目的さえあれば、いくらでも人と会えますし、今はツイッターやフェイスブックで簡単に連絡もとれます。アクションが成果に結びつきやすい環境は整っていますから、目的を持って、人には会ったほうがいいですね。

メンターを選ぶな、メンターがお前を選ぶんだ!

アレックスは、メンターに出会っていろんなむちゃぶりをされますよね。「自分もメンターがほしいけど、なかなか見つからない」とボヤく若者がいますが、そういう人は、実は、本当に叱ってくれる人に対する感謝の気持ちがなかったりするんです。ちょっと叱ると「人生を説くな」と反発する。

メンターを、水先案内人のようにどこかへ連れて行ってくれる親切な存在だと思っていたら、いくら探しても出会えませんよ。メンターとは、自分にとって居心地が悪く、乗り越えていくべき存在なんです。

映画『ベスト・キッド』を思い浮かべてみてください。まったく空手を教えてくれなくて、ずっと車の掃除やペンキ塗りばかりさせられていたと思ったら、実はそれが相手の攻撃をかわすための動作になっていたりする。無意味に思えることでも、言われるまま繰り返していたら、あるとき、それが役に立つとわかるときが来るわけです。

メンターを求めるなら、理由も聞かずに従う必要があることも理解すべきです。そして、お前がメンターを選ぶんじゃない、メンターがお前を選ぶんだ! と言いたいですね。

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