”政治”を志す若者に就職活動のアドバイスをするとしたら 《若手記者・スタンフォード留学記27》

 


4.シンクタンク系コンサルティング

あまりお勧めしない選択肢の一つ。なぜなら、大半のシンクタンクは官庁の下請けだから。官庁は、細かい調査の仕事の多くは、シンクタンクに外注する。下請けだからもちろん、官庁に耳の痛い政策提言なんてできない。日本には、米国のブルッキングス研究所のように、レベルの高い分析を、中立の立場で行うシンクタンクは存在しない。

 

政治家に大事な能力は、細かいデータを集めて、美しいペーパーを書くことでなく、大局をつがんで、ビジョンを語り、それを実現するために、政治ゲームをこなすこと。政治家を目指すなら、官僚の一員として政策を立案したほうが断然いいと思う。

5.邦銀

以前に比べ、人材の質にかなり疑問があるセクター。一時期、メガバンクは、質より量で採用した感があります(最初から大量に辞めることを見越して、基準を甘く採用するという人事戦略なのでしょうが)。30代以上も、優秀どころの多くは、外資に流出してしまっているように思えます。

銀行は、各社で微妙な違いはありますが、官僚以上に官僚的なところがあるので、日本的な政治・組織の論理を体感する上では良い職場なのかもしれません。以前、東京三菱銀行出身の若手政治家に、「なぜ東京三菱を選んだのですか」と聞いたら、「もっとも政治が盛んな組織だから」という答えが返ってきて、その戦略性(?)に驚いた記憶があります。

ビジネス面では、大企業が直接金融への比重を移しているので、邦銀の仕事は、中小企業の融資が増えています(現在は、金融危機によって、大企業の間でも、銀行借り入れのニーズが高まっていますが)。中小企業への融資も地元に密着した経済を知る上で良い経験になるでしょうが、国政を目指すなら、もっと大きく物事を見れる場所に行くべきだと思います。金融業をやるなら、今は下火ですが、やっぱり投資銀行業務か、資産運用系にしたほうが面白いでしょう。

6.日本銀行

私の知る範囲では、日銀に行った人は、優秀な学者肌の人が多い。ポイントは、「経済の勉強をしたい」というときの、具体的な中身。現場の泥臭いビジネスを学びたいなら、日銀はバツだけど、金融政策とかマクロ経済とか統計とかより学問的・抽象的な経済を学びたいならいい職場だと思う。だから、経済学が好きでないときつい職場でしょう。金融政策を語れる政治家というのはあまりいないので、その意味では、差別化になるかもしれません。とくに今のような金融危機の時代には。

7.経営コンサルティング

この選択肢は悪くないと思います。マッキンゼーなど一流どころのコンサルは非常に狭き門ですが、IT系のアクセンチュアなどは、大人数を採用しています。(ただ、IT系のコンサルは、コンピューターを学ぶ必要があるので、私みたいに、そういう系統の勉強が苦手な人にはきつい)

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