東急目黒線、「8両化」に備えた新型車両の全貌 水色ラインの「3020系」、今年11月にデビュー
東急が目黒線用車両の8両化を発表したのは今年3月。計画では2022年度の上期以降に順次8両編成の運行を始め、同年度下期の東急新横浜線開業時までに、3020系3本を含む目黒線の車両全26本を8両編成にする。目黒線はすでにほとんどの駅で8両分の長さのホームがあり、6両分の奥沢駅も工事が進んでいる。
同線の混雑率は年々上昇しており、今や東急全線で田園都市線に次いで高い174%(2018年度)に達している。現在はクーポン配布などの取り組みで時差出勤を促しているが、東急によると混雑緩和の効果は1%ほど。現在のダイヤに基づく想定では8両化によって輸送力が13%アップする見込みで、大きな効果が期待される。
目黒線と相互直通運転する都営地下鉄三田線、東京メトロ南北線、埼玉高速鉄道の各線も8両化に向けて動き出している。各線はもともと8両化を想定してスペースを確保してあるため、ホームドアなどを整備すれば8両編成の運行が可能だ。
直通各社は当面6両も残る
都営地下鉄を運行する東京都交通局は、2022年度から三田線車両の8両化を進める計画だ。すでに8両編成の新型車両を発注しており、同年度から三田線の車両全37本のうち13本を新型車両に置き換える。
ただ、残り24本の既存車両を増結して8両化するか、6両のまま使用するか、あるいは新車に置き換えるのかといった点は「需要などを踏まえて検討するため決定していない」(都交通局の担当者)という。
東京メトロも、2019年度の事業計画や中期経営計画で2022年度から南北線車両を8両化する方針を示している。同社は新型車両の投入ではなく、現在の車両に2両を増結する形で8両化する。2022年度の時点では8両編成は一部で、8両化する編成数については「具体的には未定」(広報担当者)という。
南北線から先の埼玉高速鉄道も今年春、2022年度上期からの8両編成運行に向け、ホームドアなどの工事に着手すると発表した。ただ、同社は他社局と異なり「自社の車両を8両化するかどうかはまだ検討中」(事業推進課の担当者)。当面、8両編成は東急や都営の乗り入れ車のみとなる見込みだ。
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