東急目黒線、「8両化」に備えた新型車両の全貌 水色ラインの「3020系」、今年11月にデビュー
各線の8両化とあわせて気になるのは、相鉄との相互直通運転の範囲だ。現時点では、相鉄線と東急目黒線目黒方面、東横線渋谷方面との直通運転については公表されているものの、東急線と相互直通する他線との乗り入れについてははっきりしていない。
東京都交通局は2019年度の経営計画で、三田線と東急新横浜線との直通運転に向けて協議を進めるとしているが、その先の相鉄線直通については「決まっている話はない」(都交通局)。三田線の車両が相鉄に直通する場合、車両には相鉄線用信号システムなどが必要となるが、製造中の新型車両も含め、対応はまだ決まっていないという。
東京メトロも、相鉄線との直通については「関係各所と協議している段階」(同社広報)、埼玉高速鉄道は「今のところ協議などはしておらず、具体的なところはわからない」(同社事業推進課)とそれぞれ話す。
相鉄は2018年に、東急線乗り入れを想定した新型車両「20000系」の10両編成を1本導入した。同社によると20000系は全16編成を投入する予定だ。目黒線直通には8両編成が必要になるが、8両編成と10両編成をそれぞれ何本造るかは決まっていない。
さらなる大変化を迎える目黒線
現時点で運行形態は決まっていないものの、東急・相鉄新横浜線の開業により、相鉄沿線から東急線を経由して都心へ向かう新たなルートが生まれるのは確かだ。
今年11月末には相鉄のもう1つの都心直通ルートである「相鉄・JR直通線」が開業するが、同線の運行は1時間当たり最大4本で、利用者数は1日約7万人の見込み。対して東急直通はラッシュ時1時間当たり10~14本を運行する予定で、利用者数の想定は1日約20万人だ。相鉄都心直通の「本命」は東急線乗り入れといえる。
8両化で輸送力のアップを果たす目黒線だが、2022年度以降も他社局の6両編成車両が混在するため、ラッシュ時の全列車が8両編成になるとは限らない。さらに、相鉄線からの利用者が流れ込めば、輸送量自体も現在より大幅に増えることになる。8両化後も混雑対策は引き続き課題となりそうだ。
「都会のローカル線」の風情だった目蒲線時代から約20年で大きく変貌した目黒線。2年ほど後には、神奈川県内から都心へのアクセスを担う路線としてさらなる大変化を迎えることになる。
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