回顧録も超絶ヒット「ミシェル・オバマ」の次 今も支持され続ける理由はどこにあるのか

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その中でも、特筆すべきは2017年1月11日の『ザ・トゥナイト・ショー』でしょう。数日後にホワイトハウスを去るミシェルの写真に向かって、一般人が思いの丈を伝えるというコーナーがあったのですが、実はミシェル本人がカーテンの裏で聞いていたのです。

参加者はミシェルの登場にびっくり。感極まって泣き出す女性や驚きで言葉を失う父親。「生涯忘れられない最高の先生のようだ」「わたしのロールモデル」「いつも優しさがあった」というメッセージ、そして思いがけずにミシェル本人に対面した反応は多くのアメリカ人の気持ちを代弁しており、人種や性別を超えていかに彼女が愛されていたが伝わってきました。ミシェルはメンターやロールモデルであり、頼れるお姉さんやおばさんのような存在だったのです。

不妊に悩む女性を励ました

2018年11月にアメリカで『マイ・ストーリー』が発売された時、女性読者の間で話題になったのは、ミシェルが流産を経験し、不妊治療をして体外受精で2人の娘を授かった経緯を赤裸々につづっていた点でした。

一般には、不妊治療をするのは高学歴で裕福な白人夫婦というイメージがあります。しかし、2018年11月14日付のアトランティックの記事によると、アメリカでは8組に1組が不妊に悩み、白人女性よりアフリカ系女性の方が不妊になる可能性が高いのだそう。

その理由の1つとして専門医になかなか相談にいかないことが挙げられていました。ミシェルは自らのプライベートなストーリーをシェアすることで現状に光を当て、不妊に悩む女性、とくにアフリカ系アメリカ女性を励ましたのです。

そんなミシェルは、今後政治活動はしないと公言。その決意は回顧録でも明らかにしていますが、ではこれからどんな活動をしていくのでしょうか。

その舞台のひとつは、エンターテインメント界になりそうです。オバマ夫妻のホワイトハウス後の活動には、2018年に発表されたネットフリックスでのプロデュース業への進出があります。

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