ダウ623ドル安後の日経平均はどうなるのか? 今のマーケットは「1991年以来の弱気」相場
先週末8月23日のNYダウは、623ドル安の2万5628ドルと大幅下落で引けた。
中国が「アメリカからの輸入品に報復関税を課す」と発表したことを受けて売り先行で始まった。その後、最大の注目点だったジェローム・パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長のジャクソンホールでの講演(ワイオミング州)は「経済は望ましい状況だが、景気拡大を維持するために適切に行動する」という追加利下げ容認発言で買いが入る場面もあり、ドル円相場も一時106円台後半まで上昇した。
またもや「トランプ大統領のツィッター攻撃」
しかしその直後、アメリカのドナルド・トランプ大統領がツィッターで中国への報復措置をとる方針を明らかにすると、売り注文が殺到。ダウは一時700ドルを超える大幅な値下がりとなった。
アメリカ企業の中国撤退まで言い出す始末で、ドル円も105円41銭と円高ドル安が進んだ。米中対立の長期化はその深刻度を強め、アメリカの景気後退論も静まる様子が見えない。
日経平株価は、長期の200日移動平均線を短期の75日移動平均線が上から下に突き抜け(デッドクロス)、その75日移動平均線をより短期の25日移動平均線が突き抜けるという、極めて明確な売りシグナルが出ている。
それでも23日現在では、今年に入っての引け値ベースでの「3点底」(2月8日2万333円、6月4日2万408円、8月15日2万405円)は、今のところなんとか守られている。
その一方で、裁定取引のネット買い残(買い残-売り残)が異常な事態になっている。21日発表の最新の数字(8月16日現在)では、買い残4351億円、売り残1兆6293憶円、差し引き1兆1942憶円のマイナスだ。実はこのマイナス状態は1991年のデータ公表以来最低の数字だ。周知のごとく、買い残は先高観(先物高)がある時に、売り残は先安観(先物安)がある時に増加する。つまり今は、裁定取引に限って言えば、1991年以来の弱気に覆われている相場と言える。
しかし、このような時こそ買い場であり、相場転機のタイミングでもある。
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