大手私鉄「営業利益率ワースト1」の意外な名前 稼ぐ力の指標で見た16社それぞれの事情

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2017年7月18日付記事(徹底比較「JR・私鉄の距離別運賃」ランキング)によれば、大手私鉄16社、JR東日本、JR西日本、都営地下鉄、名古屋市営地下鉄、大阪メトロの計21社局のうち、京王は初乗り運賃ランキングで2位、距離5kmで1位、距離10kmで2位、距離20kmで3位、距離30kmで4位、距離40kmで2位、といった具合に、運賃水準がかなり割安。そう考えると営業利益率が低いことは決して悪い話ではない。

ワースト2位は西日本鉄道の13.8%で、九州地盤ということもあり首都圏や近畿圏と比べると輸送人員が少ないことが影響しているとみられる。ワースト3位は東急電鉄で16.7%。東急の運賃水準も初乗り運賃ランキングで2位、距離5kmで2位、距離10kmで5位、距離20kmで1位、距離30kmで1位、距離40kmで3位と割安。京王と同じ構図である。

その意味では小田急の運賃水準も京王、東急並みに割安なのだが、利益率が21.0%と京王、東急よりも高いのは、ロマンスカー運行による特急料金を得ていることが理由として挙げられるだろう。

JR東海は驚きの45%

JR東日本JR東海JR西日本というJR本州3社についても調べてみた。JRについては各社の2019年3月期単体決算における売上高と営業利益を用いた。

営業利益率を高い順に並べると、1位はJR東海の45.6%。以下、JR東日本18.5%、JR西日本15.4%という順になった。JR東海は売り上げのおよそ半分が利益というダントツの1位だ。この理由は東海道新幹線が運輸収入の9割を占めていることによるもの。JR東海発足以来、東海道新幹線の輸送量は6割増えている。

こうした収入増加に加え、ネット予約・チケットレス乗車サービスといったサービス改善と効率化を同時に実現するような施策を取っていることも高い利益率に反映されている。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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