ベテラン社員を「老害」にしてしまう組織の盲点

大事なのは「世代間ギャップ」を埋めること

年配のビジネスマンのことを「老害」と、切り捨ててしまってもよいのでしょうか?(写真:horiphoto/PIXTA)  
臨床に携わる一方、TVやラジオ番組でのコメンテーターや映画評論、漫画分析など、さまざまな分野で活躍する精神科医・名越康文氏による連載「一生折れないビジネスメンタルのつくり方」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

いつの頃からか、「老害」という言葉を耳にするようになりました。ビジネスの世界においては、若手の新鮮なアイデアをよく考えもしないで潰してしまったり、古い常識にとらわれたまま、若手に非効率な仕事を押し付けたりする年配のビジネスマンを揶揄(やゆ)する表現として、使われているようです。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

職場での「世代間ギャップ」による問題は、いつの時代もよく言われることですし、実際、そういう「老害」的な側面を持った上司や先輩ベテラン社員によって若手の活躍が阻まれているケースというのは、現実に起きていることなのだろうと思います。

でも、若手の提案に対して「ちょっと渋い顔」をしてみせる年配のビジネスマンのすべてを、「老害」と切り捨てるべきなのか?というと、それはちょっと「行きすぎ」かもしれません。

というのも、経験を積んだビジネスマンたちが、若手の斬新な提案に対して慎重になるのは、単に「世代の違う若手の考えをまったく理解することができないから」だけではないと思うからです。

「おじさん」が若手の提案に慎重になる理由

若い社員が、斬新なアイデアを思いつく。「これはいいアイデアだ!」とばかりに上司に伝えると、中高年の上司は渋い顔で「うーん」と首をひねる。その反応を見て、若手は「ああ……、やっぱり世代が違うから、僕たち若者の発想を理解できないのだな」とがっかりする……。若手の立場に立てば、そういう印象を受けるのも当然です。

実際、時代によって移り変わる「流行」というものはあって、この点について言えば、世代によるギャップは確かに非常に大きいといえます。10歳、場合によっては5歳でも年齢が違うと、流行の話題についていけない、ということはあります。

ただ、「流行についていけない」からといって、その人がビジネスにおいてもまったく判断力を失っているかというと、そうとは限らないはずです。実際に、60代、70代になってもビジネスマンとして一戦で活躍している方はたくさんおられます。本質的な意味でのビジネスの実力に、年齢はほぼ関係がありません。

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