人生で大事なのは「ジジ殺し」のスキルである 「サードドア」で奇跡のルートが開かれる

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挑戦し続ける人だけが参加できるかくし芸大会っていう遊びを僕らはしてるんですよ。順番に「実は今回、こんな挑戦を始めました!」って披露して、聞いてるほうは「ドッヒャー、バカ野郎! 悔しい!」みたいなやりとりをして。内心「いやあ、つらいっすわ!」と思いながら(笑)。

挑戦を見せあうことは、人生のインセンティブです。そこに年齢は関係なくて、若い「先輩」だっている。挑戦している人は美しいと思うんですよね。僕はそういう人たちの世界観とか、見ている風景を共有してもらって、「あ、自分ってものすごくちっぽけだ」って思うのが楽しい。挑戦している人の話とか視座を分けていただくときに、僕が提供できるのはお金なので、寄付させてもらったりします。

僕にとって「寄付」とは「人の挑戦を見せていただくこと」。エンタメであり、勉強代です。それは自己研鑽、ひいては自分の芸事につながっています。

ザックさん、パねっす!

僕は、CAMPFIREっていうクラウドファンディングサービスの創業メンバーですが、これは、それまでなかったサービスなんです。「挑戦中です」という状態をコンテンツ化して資金を集められるようにしたという意味で。

こんなふうに、挑戦者にとってのカタパルトデッキ(発射台)になれれば、挑戦者が集まってきますよね。そういうのはやっぱり面白い。

僕はもともとアグレッシブでもないし、カネを稼ぎたいっていう意欲も強くない。昭和の起業家の方って、コンプレックスをばねにしてがんばった人もすごく多いと聞いているんですけど、ミレニアル世代になってくると、そういう人は少ないと思います。

では何をモチベーションにしているかというと、ポジティブな競争じゃないかと。そういう意味で、マーク・ザッカーバーグは圧倒的にイケてますよね。僕、彼と同い年なんです。

情報流出の問題で世界的に叩かれた後で、次は仮想通貨に進出して、世界中の中央銀行と金融機関を怒らせる。ザックが「挑戦者のかくし芸大会」に出たら優勝ですよね。「ザックさん、ハンパねえっす! 根回しとかいっさいしないんすか?」って聞いてみたい!

フェイスブックには15億人くらいのユーザーがいて、中国よりも多い人口をマネージしている。そういう視座で世の中の情報、あるいはお金はこうあるべきだって話しますから、それは各国は怒りますよね。視座が高すぎて(笑)。

彼が何を考えているかをトレースするために、彼のインタビューとかを必死に見ていると、「あ、こう見えている」っていうのが自分にも見えてくる。彼は宇宙から地球を見ているんじゃないかっていう気になります。もし彼に私欲があるなら、あんなことをするはずがないとか。すごすぎてもう嫌になってきます。

僕はこうやって、挑戦している人たちとわちゃわちゃキャッチボールをしていたい。失敗の定義って人それぞれと思いますが、僕にとって失敗とは、挑戦しなくなったときですね。もし、さっき話した21歳のベンチャーキャピタリストに、「佐俣さん、枯れましたね」って言われたら、僕は終わりだと思っています(笑)。

佐俣 アンリ ベンチャーキャピタリスト

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さまた あんり / Anri Samata

慶應義塾大学を卒業後、株式会社リクルートに入社。EastVenturesを経て、2012年に独立系ベンチャーキャピタルであるANRIを設立。インターネット・ハイテクノロジー領域110社に投資を実行。シードファンドとして日本最大規模となる約100億円のファンドを運営中。2019年7月、日本ベンチャーキャピタル協会理事に就任。(写真:佐俣アンリ)

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