あおぞら銀「メガでも地銀でもない」戦略のわけ ネット銀設立、地銀支援や不良債権ビジネスも
――みずほ銀行とLINEが組んだ「LINE Bank」が設立準備をしています。
どんなビジネスを展開するのか現時点で見えていない。楽天銀行が個人(主軸のビジネス)から法人(向けビジネス)に入っているように、潜在的な競合はいくつかある。動きを見ていくが、われわれのネット銀行もビジネスモデルを変える必要が出てくるかもしれない。
――銀行の店舗戦略も大きく変わっています。
他行は、効率化で店舗を削減する話が多いが、われわれは有人店舗を減らさない。むしろ有人店舗はよりお客様が集まり、より長く滞在してもらえるような形にする。営業時間は全店夜8時までとして、仕事後に立ち寄れるようにした。
対応する営業員の質も上げ、ファイナンシャルプランナーや法務、税務の資格を持った人を増やしている。有人店舗ではインターネットでは難しい、込み入った話や個別具体的な話に対応する。
デジタル化が進んでも銀行店舗の役割は残る
――将来、銀行の店舗はなくなってしまうのでしょうか。
デジタル化をしないという選択肢はない。基本的な流れはペーパーレス、バックレス(後方事務の削減)、キャッシュレスだ。事務のデジタル化は今年かなり進む予定になっている。2019年4月には(東京・世田谷区の)自由が丘出張所の窓口で現金取り扱いを終了した。顧客の反応を見ながら、理解を得ながら慎重に進めていく。
ただ、デジタル化で対応できない部分は残る。例えば、事業承継や相続の相談はかなり込み入っていて、ケース・バイ・ケースだ。生活の考え方やお金の使い方など、1人ひとりで個別事情は異なる。
いくら資産があり、どんな悩みがあるかを聞き出すのはかなり大変で、ノウハウが必要だ。(テレビ電話など)モニターでは、細かい好き嫌いや曖昧な部分まで感じ取ることができない。直接お会いして、時間的には非効率でも丁寧にやる。人間味のある営業スタイルは崩さないし、強化したい。
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