若き経営者たちが挑む「結婚式革命」 婚姻数は右肩下がり、「ナシ婚」層を掘り起こせ!

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ところが、人口の多い1971年~1974年生まれの団塊ジュニア世代が40歳前後に差し掛かっており、今後、結婚適齢世代の人口は右肩下がり。「ここ4~5年で婚姻数が下がり始めた。景気の変動には勝てても、人口減にはかなわない」(他力野社長)。

こうした現状を踏まえて発足したのが、次世代ブライダル協議会だ。発足第1弾の取り組みとして、4社が連携して、結婚式を挙げる親族の未成年招待客(0歳以上20歳未満)の食事代を無料にする企画を、1月31日~3月31日の期間限定で展開する。あらかじめ決められた会場で成約した客がキャンペーンの対象となる。

「いとこを結婚式に呼ばないなど、若い世代が結婚式自体に触れる機会が少なくなっている。若い世代に結婚式に触れてもらって、将来結婚するときに結婚式を挙げたいと思ってほしい」(A.T.bridesの大崎恵理子社長)

イノベーションを起こせるか

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記者会見は、エスクリが運営する都内の結婚式場で開かれた(撮影:梅谷秀司)

結婚関連ビジネスでは、業界大手と呼ばれるような企業でも年商500億円程度。業界をまとめ上げる絶対的な存在がいないことも、4社が連携に乗り出した背景にある。

みんなのウェディングとA.T.bridesは一部で競合関係にあるが、「業界の衰退が始まっている中で、1社でやろうとしてもなかなか進まない」(大崎社長)ことから、共闘の道を選んだ。バリューマネジメントの他力野社長は、「賛同していただける20~40代の経営者やマネージャークラスの方にも加わってほしい」と呼びかける。

リクルートの結婚情報誌『ゼクシィ』に携わった経験を持つ他力野社長は、「(ブライダル産業は)本来ならイノベーションが起こらなければならないのに、新陳代謝がなかった。マーケットが落ちてくる中で、業界はこれから本当の意味で変わっていく」と力説する。

4社の取り組みにとどまらず、業界全体を巻き込んでいけるか。戦後まもなくから続く伝統的な業界で、新風を噴かせようとする若手経営者らによる挑戦が始まった。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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