有効率95%!「乗り物酔い防止メガネ」のすごさ シトロエンが発売した不思議なメガネの正体

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前に書いたように、筆者はシートロエンを信用しきっていたわけではないので、効果が発揮できなかった際に備え、本来の使い方とは違うことを承知で、山間部の道で後席に移ったと同時に着用した。

C5エアクロス車内(筆者撮影)

通常、山道で運転席以外で過ごさねばならないときは、昔から言われているように遠くの景色を眺めるようにするのだが、シートロエンはむしろスマートフォンなどを注視していたほうがいいそうなので、大いなる不安を抱きつつ、最悪の状況に自らを追い込んだ。

数分後、不思議な感覚に襲われていることに気づいた。カーブの続く道で体は左右に揺らされているのに、頭の中がグルグル回るような気分の悪さが起こらない。しばらくすると感覚が慣れてきたようで、シートロエンを外しても気持ち悪くならなかった。同行した他の2人も同様の感想で効果に驚いていた。

快適な移動を追求し続けきたシトロエン

シトロエンは昔から、多くのクルマ好きを驚かせる大胆なデザインやテクノロジーを取り入れてきた。それが見かけ倒しではなく、快適性や実用性の追求の結果であることは、自身が所有した5台、取材で触れた数えきれないほどの個体から知っている。

使わない時は円筒形ケースにしまっておける(写真:シトロエン)

シートロエンもまた、大胆な造形の中に高度な機能を秘めているという点で、クルマのシトロエンと共通していたし、移動における快適性を追求したという点も合致している。

しかもシートロエンは時流に沿った商品でもある。今の人たちは移動中にスマートフォンやタブレットなどを見て過ごすことが多いからだ。酔い止め薬などよりも多くの人が注目しているのではないだろうか。

100年にわたり快適な移動を追求し続けきたシトロエン。その哲学をクルマ以外の分野で具現化したのがシートロエンと言える。

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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