有効率95%!「乗り物酔い防止メガネ」のすごさ シトロエンが発売した不思議なメガネの正体

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ただし酔い止め薬は、かぜ薬や解熱鎮痛剤、鼻炎薬など、他の薬と併用すると副作用が出る可能性もあり、つねに服用できるわけではない。

一方のシートロエンは、南フランスのスタートアップ企業ボーディング・リング社が船員のために開発した特許取得済みの技術を採用したもので、乗り物酔い止め有効率は95%だという。

メガネといってもレンズは入っていない

秘密はメガネのフレーム内部に着色された液体にある。これが顔の正面と左右で揺れることで水平線を再現し、視覚と三半規管の感覚のズレを抑える。三脚などに装着する水準器を円形にしてメガネに装着したような内容である。内耳の成長が終わった10歳以上の人であれば使用できる。

欧州で限定販売された創業100周年記念のシートロエンS19(写真:シトロエン)

乗り物酔いの症状が表れたらシートロエンをかけ、スマートフォンや本などの動かないものに視線を固定していると、10~12分後、視覚情報と三半規管による情報が同期し、気分がよくなる。その後はシートロエンを外しても、効果は持続するという。

メガネといってもレンズは入っていない。よって通常のメガネやサングラスと併用することも可能で、家族や友だちと共有することもできる。

デザインはシトロエンの本拠地と同じパリのデザインスタジオ5.5社とのコラボレーションで、シトロエンらしいフレッシュさとシンプルさにこだわりつつ、人間工学にも基づいている。その結果、ソフトタッチの白いプラスチック製の、ハイテクな外観のメガネが生まれた。

筆者は幼少期から乗り物酔いしやすい体質で、現在でも船は苦手だし、鉄道は進行方向と逆向きに座ると気分が悪くなる。乗用車やバスでスマートフォンや本を見ながらの移動など到底無理だ。

C5エアクロス外観(筆者撮影)

なのでシートロエンには注目したが、本当に効くのかという疑いの目も向けていた。先日、日本でも発売されたシトロエンのSUV「C5エアクロス」を長距離試乗する機会があったので、後席で過ごす際に試してみた。C5エアクロスの試乗記についてはいくつかの自動車専門誌に執筆しているので、気になる方はご覧いただきたい。

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