「卒業後クラスメイトとたまたま街で出会ったときに、話しかけられても無視してやろうと思いました。
中学を卒業後、面白くない人たちは髪をツンツンに立てたり、ズボンを腰ではいたり、路上に座り込んだりすることに気づきました。そんな面白くない彼らと仲良くなんかなってはいけないと思った僕は、彼らにナメられないためには自分も強くならないといけないと思い、柔道部に入部することにしました」
そんな理由で入った柔道部だったが、世界学生柔道選手権で優勝した経験を持つ先生が顧問を務める過酷な部活動だった。
「入部して3日で耳を潰されました。今もいわゆる餃子耳です。
しばらく言われるままに頑張ったんですけど、体の大きい人にはどうあがいても勝てないなって思いました。自分だけの柔道をやっている意味を見つけなきゃって思いました」
そこで投げ技はすっぱりと諦めることにした。その代わりに、関節技を研究することにした。一人でサンボ(ソビエト連邦の格闘技)の本を読むなどして研究し続けた。
「当時プロレスが好きだったんですが、ケンドー・カシンというマスクマンの得意技である、飛びつき腕ひしぎ十字固めを自分でもできないかと練習しました」
練習を重ねてなんとか飛びつき腕ひしぎ十字固めを使えるようになった。
早速大会でかけようとしたら、失敗して上手く手をつかめなかった。そして、そのまま下にドンッと落とされてしまった。
友達の価値に気づいた入院生活
試合は一本負けになり、しかも落下の衝撃で鎖骨を骨折した。そして病院に入院することになった。
「入院中はやることがなかったので、たくさん本を読みました。例えば大槻ケンヂさんの本とかに夢中になって、自分の中の世界が広がったように感じました。不幸中の幸いでした。
結局、高校3年生までクラスメイトとは誰ともしゃべりませんでした。相当な変人だったと思います。でも高校生活も終わる頃、クラスである漫画がはやっていて、それをどうしても読みたくなったので、
『読みたいから貸してくれない?』
って聞いたら
『もちろんいいよ~』
って笑顔で貸してくれました。話したらすごいいいヤツで、友達の価値って面白い、面白くないだけじゃないよなって、そのときになって気づきました」
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