伝説の怪奇漫画家が歩んできた退屈しない人生

73歳の今もなお新作の制作に意欲を燃やす

「伝説の怪奇漫画家」として現役で活躍する日野日出志さん。紆余曲折あった漫画家人生がどんなものだったのか、お話を聞いた(筆者撮影)
これまでにないジャンルに根を張って、長年自営で生活している人や組織を経営している人がいる。「会社員ではない」彼ら彼女らはどのように生計を立てているのか。自分で敷いたレールの上にあるマネタイズ方法が知りたい。特殊分野で自営を続けるライター・村田らむが神髄を紡ぐ連載の第67回。

日野日出志さん(73歳)は日本の“怪奇漫画家”の代表的存在だ。

『蔵六の奇病』『悪魔が町にやってくる 恐怖!!ブタの町』『恐怖・地獄少女』などなど、タイトルからしてすでに怖い。

筆者も小学生時代に読み、ずいぶん怖がったのを覚えている。とても不吉で忌まわしい雰囲気の漫画なのだが、それでももっと読みたくなる不思議な作品だった。

久しぶりの新作は「絵本」

2000年ごろからあまり新作は発表していなかったが、先日『ようかい でるでるばあ!! 』(彩図社/寺井広樹著、日野日出志絵)という作品を上梓した。この作品は妖怪をテーマにした絵本だ。もちろん怖い面はあるものの、ユーモラスさが目立つ作品になっている。

この連載の一覧はこちら

実は日野さんにとって絵本製作は、長年の夢だったという。

なぜ、日野さんは怪奇的な漫画を描くようになったのか。そしてなぜ今、優しさのある絵本に行き着いたのか? 埼玉県にある日野さんの職場兼自宅で話を聞いた。

日野さんが生まれたのは、旧満州のチチハル市だった。

「俺の親父が満鉄の職員でした。ポッポ屋ではなくて建築屋で、駅舎、官舎など建物の保全をやっていました。他人には親切な人で、中国の人からも信頼されていたみたいです」

次ページ第2次世界大戦に敗戦直後、満州で誕生
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • グローバルアイ
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 賃金・生涯給料ランキング
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
トレンドライブラリーAD
人気の動画
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT