生体情報を計測、"着る"ウエアラブルが登場 東レとNTTグループが共同開発

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ドコモはオムロンと共同で展開する健康支援のプラットフォーム「わたしムーブ」で、リストバンドや体温計とスマホを連携させたサービスを展開している。こうした複数の端末とhitoeのウエアを組み合わせることで、より高度な健康管理サービスも提供していく考えだ。「パジャマなどの寝具類にも搭載すれば、体調の悪い方やお年寄りなど、介護の分野でもサービスを広げられる」(中山氏)。

洗濯は、手洗いなら50~60回が可能

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エアロバイクを使ったデモ。ウエアの電極が心拍数などを読み取り、リアルタイムでデータをスマホに転送する

通常、ウエアに電極などの装置を埋め込むと、堅くなったり、着心地が悪くなったりするものだ。だが、今回は、東レとNTTの先端技術によってこうした課題を解決した。ウエアにはストレッチ素材を採用し、適度な伸びと締め付けで肌へのフィット性を高めた。電極をつなぐ配線の取り付けにも新しい縫製技術を用いて伸縮するようにした。そのほか、雨や汗でもショートしない配線の設計など、さまざまな工夫が凝らされている。

電極や配線があっても洗濯が可能だ。東レのテキスタイル・機能資材開発センター所長の桑原厚司氏によれば「ナノファイバー(東レの先端繊維材料)の中に樹脂を入れ込んでいるので十分な耐久性がある。洗濯ネットに入れて洗ってもらえれば30回程度。手洗いの場合、50~60回くらいなら性能を維持できる」とのことだった。

また、東レとしての戦略について、機能製品・縫製品部門長の首藤和彦氏は「さまざまな用途があり、スペックも変わってくるので価格は決まっていない。最終製品として販売する場合と、部材として供給するケースもあるだろう。場面に応じて判断していきたい」と語った。

電極を張り付けたデザインは少々野暮ったい印象を受けた。ただ、東レの桑原氏は「生地から加工して、カットと縫製をすればすぐに製品ができるようにするなど、まだまだ進化できる」と話す。同社がファーストリテイリングと開発した機能性肌着「シルキードライ」「サラファイン」「ヒートテック」のように、多くの人が身につける時代はやってくるだろうか。ウエアとサービス、両方の進化がカギになりそうだ。

 

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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