そのプロトタイプ車両ではSKYACTIV-Xエンジンのほかに、プラットフォーム全般やドライビングポジションに至るまでの新しい考え方である「スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー」や、安心感の高い車両の安定性を生み出す「スカイアクティブ ビークル ダイナミクス」など、まさに今回のMAZDA3が搭載している新たな意味的価値を体感することができた。
さらに現場では、Mr.エンジンと称されるマツダのシニアイノベーションフェロー(当時は常務執行役員・シニア技術開発フェロー 技術研究所・統合制御システム開発担当)である人見光夫氏からも燃焼メカニズムについてレクチャーをいただいた。
その詳細は、SKYACTIV-X搭載モデルを公道で試乗した後にこの場でのレポートを行いたいが、いずれにしろSKYACTIV-Xはマツダが2010年の「2020年に向けたビルディングブロック戦略」や、続く2017年の「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」における大きな目標のひとつであったわけで、こうして実用化にまでたどり着いたことは快挙であり素直に喜ばしく、これぞマツダの執念ともいえよう。
進化を遂げた先進安全技術
こうした経緯から、筆者はMAZDA3に対して大いに期待を寄せていた。しかし、2.0Lガソリンと1.8Lターボディーゼル搭載モデルを限定的なクローズドコースだけで試乗した結果から判断すれば、その期待値には少しだけ届かなかったと感じられた。
誤解のないよう正確に記すならば、MAZDA3全体を通じて期待値以下ということではない。むしろ上回っている部分がほとんどだ。そのひとつがデザインだろう。
当稿の画像やマツダの公式サイトでも確認いただけるように、内外装デザインは名だたる競合車を前にしてもひときわ光りハッとさせるものがある。ただし、抑揚のあるふくよかなデザインは撮影が難しく、筆者の画像ではありのままの描写とはほど遠い。よってぜひともディーラーで実車を確認いただきたい。
加えて、先進安全技術群であるi-ACTIVSENSEは昇華されその性能は世界トップクラスにまで成長している。マツダは2020年に自動運転技術を活用し、いつまでも安心して運転が楽しめる「Mazda Co-Pilot Concept」を実装するが、そのMAZDA3では、例えばレーンキープアシストシステムにその布石を実感することができた。
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