新型「MAZDA3」乗ってわかった最新進化の実力 加速感や乗り心地はどのように進化したのか

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乗り心地についても興味津々であった。MAZDA3に採用された新しい車両構造技術であるスカイアクティブ ビークル アーキテクチャーは、専用開発タイヤを用いてバネ下(タイヤ)からバネ上に伝わる力の波形を滑らかにして衝撃を緩和し、そのタイヤから伝わる力の方向をぶらさずに単純化して制御しやすくしながら、4輪で対角する剛性変動を抑えることで対角での遅れをなくすことを目標にした。

その実現のためMAZDA3では、バネ上と一体で動き身体との密着性を高めたシートの開発や、遅れなく力を伝達するボディの開発、そしてバネ下からの入力を滑らかにするシャーシの開発を行ってきた。つまり、あらゆる路面状況が考えられる公道で4輪の高い接地性能を確保しつつ、最良の乗り心地となるよう設計されているわけだ。

SKYACTIV-X搭載モデルは今秋以降発売へ

2017年のプロトタイプ試乗会では、荒れた路面での走行に加えて路面に5m間隔で突起物を設けスカイアクティブ ビークル アーキテクチャーが謳う専用開発タイヤやダンパー、そしてボディによる減衰、さらにはサスペンションの収束性能を体感するエリアがあったのだが、今回の試乗コースであるテストコースではきれいに舗装された路面ばかりで、持てる性能うち半分も体感できなかったのは残念……。

ハッチバックのMAZDA3の後ろ姿(筆者撮影)

2018年夏に小変更を行ったコンパクトSUVである「CX-3」やセダン&ステーションワゴンの「アテンザ」では、スカイアクティブ ビークル アーキテクチャーの要素技術である専用開発タイヤによる恩恵を公道試乗でしっかりと体感できていただけに、フルスペックで導入されたMAZDA3の完成度はきっと高いものがあるはずだ。

8月初旬現在、広報部からの情報ではSKYACTIV-X搭載モデル以外はすでに販売を開始していて、ガソリン/ターボディーゼルに遅れての販売となっていたSKYACTIV-X搭載モデルも2019年12月中旬に発売される見込みだという。

西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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