ヤマトホールディングス利益計画を下方修正 クール宅急便常温管理事件の再発防止費用かさむ

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「クール宅急便の品質管理には過剰なほど対応した」とヤマト運輸の山内雅喜社長

宅配便最大手のヤマト運輸を傘下に持つヤマトホールディングスは1月29日、今2014年3月期決算の営業利益予想を従来比40億円減の670億円に下方修正すると発表した。昨年10月に発覚した「クール宅急便」の常温管理問題の再発防止向け費用が想定以上に膨らむことが主因。東洋経済も会社計画線に営業益予想を減額する。

同社が29日に修正発表した今3月期予想は、売上高が1兆3600億円(従来予想比150億円増、前期比6%増)、営業利益が670億円(同40億円減、同1・2%増)。アマゾン向けをはじめインターネット通販の需要拡大を背景に、「宅急便」の取り扱い個数が前期比10・3%増の16億4100万個に膨らむ見込み。うち、クール宅急便も同4・9%増と伸び、不祥事発覚による取り扱い個数への影響はほとんどない模様だ。

しかし、営業利益予想が従来予想を下回ったのは、クール宅急便の不祥事に対応した再発防止策や品質改善策の徹底などによる費用が、第3四半期に想定以上にかさんだためだ。これは、宅急便の最大需要期に当たる「12月を乗り切るため、クール宅急便の品質管理に対して過剰なほどに対応したためだ」(山内雅喜・ヤマト運輸社長)という。

具体的なコスト増要因としては、クール宅急便の品質管理の万全を期すための人件費増や冷凍設備、消耗品(ドライアイスなど)など資材の増加費用だ。また、人手不足の中での要員確保のための人件費や委託費なども従来計画より増加した。さらに「人がなかなか集まらず、教育する時間が需要がピークとなる12月までに十分に間に合わなかったことで、生産性の面でも足を引っ張った」(同)としている。

同社では第4四半期の営業利益計画を、前年同期の約2倍に当たる74億円と予想。これは、第3四半期に比べて採用人員の習熟化が進み、人や資材の調達コントロールが効くためとしており、「簡単ではないが、達成確度は十分にある」(木川眞・ヤマトホールディングス社長)としている。さらに、低単価の顧客をリストアップして値上げ交渉を始めており、「値上げの通らない顧客に対しては最終的に取引中止もある」(山内・ヤマト運輸社長)とし、運賃値上げによる採算改善も利益貢献に効きそうだ。
 

鈴木 雅幸 東洋経済 記者

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すずき まさゆき / Masayuki Suzuki
2001年東洋経済新報社入社。2005年『週刊東洋経済』副編集長を経て、2008年7月~2010年9月、2012年4月~9月に同誌編集長を務めた。2012年10月証券部長、2013年10月メディア編集部長、2014年10月会社四季報編集部長。2015年10月デジタルメディア局東洋経済オンライン編集部長(編集局次長兼務)。2016年10月編集局長。2019年1月会社四季報センター長、2020年10月から報道センター長。
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