トランプ「対イラン戦争決断のXデー」は来るか そのとき株価や原油価格はどうなるのか?

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この望みを支えるのは、現在トランプ大統領の支持率が45%と安定していること。先物市場ではトランプ大統領の再選成功率は、民主党のジョー・バイデン氏が名乗り上げた直後は民主党候補(再選失敗の確率)に20ポイントも離されていたが、今は7ポイント差まで縮まった。

ならば、今あえてイラン戦争という「危ない橋」を渡る必要はない。それよりも基本戦略に固執する。そのために中国との妥協を探っているのであり、基本戦略は、経済(株式市場)をケアしながら、移民問題(国境の壁)では強気な態度を継続。そして選挙戦本番では、民主党に対抗し、よりやさしい健康保険制度を掲げることだ。(当初の共和党案は、オバマケアの強制加入を否定した上で、疾病者が後から保険に入れるという、市場原理からは外れた内容だった)

利下げは0.5%の確率が高い

ここで株式市場の状況を解説すると、決算シーズンが始まった今、ガイダンスで下方修正を出す会社の多くは、その理由として米中貿易の不透明に加え「ドル高」をあげている。

トランプ大統領のFEDへの乱暴な利下げ圧力は、このあたりを意識してのことだろう。そこでトランプ大統領に批判的なブルームバーグは、「ジェローム・パウエルFRB議長は、暴君ネロに仕えたストア派哲学者のセネカのようだ」と擁護している。そしてパウエル議長は、利下げを示唆したスピーチに先だち、「われわれも金融政策でミスをすることもある。だがIntegrity(道徳・倫理)とcharacter (人格)でミスをすることはない」と断言した。

ここでの「ミス」とは、昨年12月の利上げのことである。よって30-31日のFOMCでは、その調整としての0.25%の利下げは確定的。もしWSの銀行を株主に抱えるNY連銀のジョン・ウイリアムズ総裁の主張「弾丸が限られているなら先制攻撃の方が有効」という議論が通れば、0.5%の利下げもありうる。個人的にはその確率は5割以上あるとみている。

いずれにしても、株式市場のマネジメントでトランプ大統領を見て感心するのは、大統領はAIが先導する今の市場の特徴をよく理解していること。挑発的に悪材料をツイートして株の下落を誘うが、頃合いを見て妥協している。流動性がありあまっている今の市場では、事前の高値を超えたショートカバーになる。このあたりはさすがカジノ経営者。参加者を殺さず、儲けさせ過ぎず、休ませませない。 

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