デリカD:5は「アルヴェルの牙城」を崩せるのか 価格帯や室内空間、先進安全装備の違いは?

拡大
縮小

もはやほとんどの車種に標準装備となりつつある、衝突被害軽減ブレーキなどを含む先進安全装備。今となってはついているかどうかよりも、その内容がどんなものなのかが重要になってきている。

この点においてはアルヴェルに装備される「Toyota Safety Sense」のほうがやや上手となる。衝突被害軽減ブレーキは自転車も認識する高精度のものとなり、レーダークルーズコントロールにはステアリングのアシストがプラスされるのだ。

ただ、両車ともブラインドスポットモニターとリアクロストラフィックアラートは別途オプション設定となる。デリカD:5の場合は上級グレードとなる「G-Power Package」のみ選択可能で、プラス4万8600円。一方のアルヴェルに関しては、なんと専用の9.2インチナビゲーションやJBLサウンドシステム、パノラミックビューモニターとのセットオプションとなり、その価格はなんとプラス61万5600~70万2000円となってしまうのだ。

なお、デリカD:5は基本的にオーディオレスの設定となっており、ナビ類はディーラーオプションか社外品を自由に選ぶことができる。ディーラーオプション品にはアルヴェルをも上回る10.1インチの大型モニターを擁する専用ナビの設定もあるので(27万4968円)選択肢の幅が広いのが利点と言えそうだ。

見積もりをみてビックリするかも

ということで、フラッグシップミニバンに殴り込みをかけたデリカD:5と王者のアルヴェルを比較してみたのだが、ベースとなる車両本体価格こそ近いものの、最終的な見積額では大きな差が出そう、という結果になった。

2月に発売された「デリカD:5 URBAN GEAR」。モダンなデザインが特徴の1つだ(写真:三菱自動車)

アルヴェルは「いいな」と思える装備がオプション設定となる点が多いのに対し、デリカD:5はほとんどの装備が標準で備わっている点と、デリカD:5はクリーンディーゼルエンジンを搭載していることで、エコカー減税によって各種税金が免税となる点が総額で大きく差が出る要因となるのだろう。

もちろん、金額だけで本当に欲しかった車種を諦めるということはしてほしくないが、これだけ総額に差が出ると「デリカD:5もアリかも?」と思う人もいるのではないだろうか。そんなときは近くの三菱ディーラーに駆け込んで、デリカD:5が自分のお眼鏡にかなう車種なのかじっくり考えてもらいたい。

小鮒 康一 フリー(ライ)ター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こぶな こういち / Kouichi Kobuna

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とするが、実は現行車へのチェックも欠かさない。また、中古車販売店に勤務していた経験も活かし、中古車系の媒体でも活動中。できればどこへでもクルマで行きたいタイプで、電車移動は苦手な部類。通称「フナタン」。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT