デリカD:5は「アルヴェルの牙城」を崩せるのか 価格帯や室内空間、先進安全装備の違いは?

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ビッグマイナーチェンジで従来型の面影がまったくなくなったデリカD:5。登場したばかりのときは賛否両論、というか、どちらかというと否定的な意見を多く聞いたその特徴的なフロントマスクだが、時間が経つにつれて見慣れてきた感がある。

トヨタの「アルファード」(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

対するアルヴェルは先代よりもさらに押し出しの強いフロントマスクとなり、それまではどちらかというとおとなしいデザインだったアルファードですら、巨大なメッキグリルを持つ顔となっている。

エクステリアデザインに関しては完全に個人の好みが影響する部分ではあるが、どちらの車種も好き嫌いが分かれそうなデザインとなっている感があるだろう。

室内スペースはアルヴェルが圧倒的

内装の質感はデリカD:5も大きく向上したが、ボディサイズが一回り大きいアルヴェルのほうが当然室内空間は広くなる。デリカD:5は室内長2980mm×室内幅1505mm×室内高1310mmなのに対し、アルヴェルは室内長3210mm×室内幅1590mm×室内高1400mmとなるのだ。

ただし、乗車定員はアルヴェルが8人を選ぼうとすると、いちばんベーシックなロアグレードを選ぶしかないのに対し、デリカD:5はすべてのグレードで7人乗りと8人乗りを選ぶことができるので(価格差はなし)、選択の幅はデリカD:5のほうに軍配が上がる。

デリカD:5とアルヴェルを比べる際に、最も大きく異なるのはドライブトレインだろう。デリカD:5が2.2リッターのクリーンディーゼルエンジンを搭載するのに対し、アルヴェルは2.5リッターのガソリンエンジンとなる(3.5リッターやハイブリッド仕様もあるが価格差がありすぎるので今回は除外)。

134kW/235N・mというアルヴェルに対して、デリカD:5は107kW/380N・mと出力こそ劣るものの、ディーゼルエンジンらしい豊かなトルクを持っており、2トンクラスの車重を悠々加速させてくれるのだ。もし、多人数乗車や荷物をたくさん積んでのアクティビティーをたしなむのであれば、この動力性能は大きなアドバンテージとなるだろう。

さらにアルヴェルは2.5リッターモデルにはCVTが搭載されるのに対し、デリカD:5は新開発のスポーツモード付8速ATが搭載される(従来型は6速AT)。そのため、燃費の面ではもちろん、アグレッシブな走りを楽しみたいときにも真価を発揮してくれそうだ。

また、デリカD:5は全車4WDとなるが、アルヴェルは基本が2WDとなり、もし4WDを選択しようとすると前述の価格に25万円弱ほどのエクストラコストが必要となる点も大きな違いと言える。

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