「東京喰種レストラン」はすべてが異色だった 場所は非公開、赤一色の店内、参加費は1万円

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本章14巻に加え、『東京喰種:Re』16巻の全30巻で、シリーズ累計では世界4000万部を発売。アニメやゲーム、舞台などのさまざまなコンテンツで楽しまれるほか、2017年7月に公開された初の実写化作品は興行収入11億円を記録し、DVDレンタルでは世界400万人の人に視聴されているという。

そして第2作として公開されたのが、『東京喰種 トーキョー グール【S】』だ。主人公金木は「人間を襲わない喰種」のコミュニティである喫茶「あんていく」にて平和な日々を過ごしていた。そんなとき喰種・月山習と出会い、「喰種レストラン」に招待される。実は月山は、CCGより「グルメ」と呼ばれる、異様な食嗜好の持ち主。そこで金木を待っていたのは……というのがあらすじだ。

今回リアルでオープンする「喰種レストラン」も、あらすじや作品の設定を知っておくことで、その世界観をより楽しむことができる。

完全非公開の赤一色の空間

画期的なのが、レストランの場所が非公開とされている点。申し込んだ客は、都内某所に密かに集められる。

黒マスクを身に着けた男、黒ドレスに赤いバラのコサージュの女、スカルモチーフに包まれた長髪の男……。そしてアテンダントも、ブラックスーツにマスク姿。すでに「喰種レストラン」の世界に足を踏み入れているのだ。

なお完全非公開のため、この集合場所から、会場までの道のりは写真撮影もSNS投稿も禁止されている。

【2019年7月30日10時10分 追記】関係者のプライバシーに配慮し、本文を修正しました。

会場のあるビルで業務用とおぼしきエレベーターから降り、暗幕を通り抜けると、広がっているのは赤一色の空間だ。もちろん造花ではあるが、使用されているバラは4万本。壁にマスクなどのモチーフがあしらわれるほか、バラでいっぱいのバスタブ、奏者なしで音を奏でるチェロなど、異様な物体で飾り付けられている。

赤い色には人を興奮させる心理的な作用があるというが、キャンドルを主とした照明のなか、これだけ赤に囲まれていると、息詰まるような気分になる。

アミューズの「肝臓(フォアグラの三種)」。いずれもフォアグラだが、見た目も可愛らしく、チョコレートを使用するなど、スイーツに近い趣。しかしコースが進むにつれ、喰種の色が濃くなっていく(筆者撮影)

集合から始まり、食事が終了するまでの約2時間半のストーリーを牽引するのが、レストラン支配人と従業員と称する5人の男女だ。原作や映画の登場人物ではないが、それぞれ性格設定がなされ、役割に従って演劇を繰り広げる。彼らはいずれも喰種だが、人間を食べないのだという。そしてこのレストランでは、「喰種も人間も食べられる料理」を提供するらしい。喰種にとってはいわば、ベジタリアン料理のようなものだろうか。

次ページコースが進むにつれ、現実との境界があいまいに…
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