バンナムがあえて「リアル施設」を強化する狙い ゲーム・アニメの世界に入れるMAZARIAとは

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開発に携わったバンダイナムコアミューズメントの小山順一朗氏と田宮幸春氏によると、来場者は特別なアクティビティ以外入場料のみで楽しめること、各アクティビティを楽しむ際に映像の活用などにより言葉による説明を減らし簡単に楽しめるような形にするなど、非日常を楽しむための仕掛けに配慮したという。

バンダイナムコアミューズメント クリエイティブフェロー小山順一朗氏(右)・同社コンテンツプロデュース課マネージャー田宮幸春氏(左) (筆者撮影)

このような取り組みは単に非日常性を生み出すだけでなく、運営コストの減少や外国人観光客への対応にもプラスの面で作用すると考えられる。

MAZARIAがオープンするサンシャインシティは1970年代に開業した都内屈指の大規模商業施設の1つであり、コニカミノルタプラネタリウム満天やサンシャイン水族館、古代オリエント博物館やサンシャイン劇場など、子どもから大人まで楽しめるレジャー施設を擁している。また、施設内の噴水広場はイベント会場として活用され、多くのタレントの活躍の場となっている。

さらに、展示場ではアパレルのセールやアニメ・ゲームのイベントも多数開催されている。このように、東京におけるエンターテインメントの集積地として機能してきた。

施設エントランスでさまざまな映像を上映する「ウォール・マザリア」(筆者撮影)

とくにゲームの分野でも、巨大なゴリラのロボットが有名だった大規模ゲームセンター「ザ・ゴリラ」に子ども向けのゲームが多かったことから、親子連れや子どもたちだけでも楽しめる場所の1つとしてにぎわっていたなど、古くからゲームとの親和性が高い。また周辺にはアニメイトなどのアニメ・マンガ・ゲームの店舗もあり、地域周辺はポップカルチャーの中心地となっている。

リアルエンターテインメントへの注目

このように、バンダイナムコグループがテーマパーク事業を積極的に進めている背景には、近年のリアルエンターテインメント・ライブエンターテインメント分野に積極的な消費者の隆盛にある。

アクティビティ「脱出病棟Ω」。プレイ前の雰囲気に合わせている。(筆者撮影)

音楽ではCDの売れ行きが減少しダウンロード販売などに移行しつつあるが、一方で実際に人気アーティストを目の当たりにできるライブやコンサートのチケットは争奪戦になることも多い。かつてアーティストのCDの宣伝の意味合いも強かったライブやコンサートは、逆に収入源として大きな位置を占めつつある。

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