小学校受験対策が机上の学習で終わらないワケ 子の出来や合否に囚われるのが目的じゃない
受験には当然ながら、机に向かって勉強するというイメージがついてまわる。しかし、それは中学、高校、大学受験の話だ。小学校受験の場合は、むしろ日々の生活のなかで得られる学びこそが最大の「受験対策」だということだ。
これは学歴以上の財産となりうるもの。小学校受験のための勉強は単に机上の学習だけで成り立つものではない。
「小学校受験をしない」という選択も
『小学校受験バイブル』と銘打っている以上、本書には「受験に勝つ子を育てる方法」「夏の制し方」「願書の書き方、面接対策」「試験本番に際しての心得」など、実践的な情報も多数盛り込まれている。
だが本書がなにより強調しているのは、あくまで「素直に育てること」、そして「親と子の絆」の重要性だ。その子の将来を決定づける最大の要因だともいえるそれらは、受験とあまり関係がないと思えるかもしれない。
しかし、なによりまず、人間としての基礎を子どもの幼少期に固めること。なぜなら、それこそが未来へつながっていくものだからだ。事実、著者はこうも言うのである。
大切なのは、笑顔であふれる家庭で育つことだからである。
ましてや「1度受験をすると決めた以上、簡単に諦めてはいけない」とも限らない。
小学校受験をすることで子どもがストレスを抱えてしまい、家庭から笑い声が消えるのだとすれば、それは本末転倒だということ。
だから、もしそうなったのであれば、受験をやめてしまってもかまわないと著者は言う。それもまた、その家庭の出した最良の答えであり、子どもに対する愛情だからだ。
そのため、子どもをよく見て話を聞き、性格・長所・短所・どんなところを伸ばしていきたいか、などをじっくり考えてほしいと著者は記している。いわば、子どもにとっていちばんの幸せとはなんなのかを、しっかり見極めることが大切だというわけである。
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