ファブリーズ「瞬間お洗濯」広告が消えた裏事情 「適格消費者団体」の活動が与えた影響とは
内閣総理大臣から認定を受けた適格消費者団体が、差止請求訴訟を提起する権利を背景に、事業者に不当な勧誘行為や不当条項の使用、不当表示をやめさせるための「差止請求」の申入れを行うことが期待されている。
「消費者契約法」や訪問販売など消費者トラブルを生じやすい特定の取引を対象とした「特定商取引法」、不当表示・景品を規制している「景品表示法」、「食品表示法」の虚偽表示も差し止めの対象となった。
さらに、消費者の財産的被害を集団的に回復するための裁判手続(被害回復のための損害賠償請求訴訟)を追行することができる制度もできた。いずれの場合も、消費者団体に訴訟を提起する権利が認められているが、前者の差止請求を行うことができる消費者団体を適格消費者団体、そのうち、さらに後者の損害賠償請求を行うことができる消費者団体を特定適格消費者団体という。
適格消費者団体は現在21団体、そのうち3団体が特定適格消費者団体だ。消費者支援機構関西は後者の3団体の1つだ。すなわち、違法行為の差し止めと、消費者の被害回復のための損害賠償請求訴訟ができる権限を持つ。同機構はとくに積極的な活動で知られる。
広告表示の問題点を提起
そんな団体からファブリーズの広告に疑問符がついたのだ。P&Gとしては真摯に対応する必要があったのだろう。ではどのような問題を消費者支援機構関西は提起したのか。同団体は一般消費者からの情報提供を受けて、2017年12月19日に同社に対し、表示・広告に関して「お問い合わせ」をした。その中で、以下のような説明をしている。
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