国際派社長が開拓する東南アジア美容品市場 オルビスアジアの「グローカル戦略」とは

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シティ一等地と郊外の同時出店で認知度拡大

オルビスアジアの代表取締役社長を任されているのは、海外経験も豊かで、海外での実績も多数あるという横山隆氏。同氏によれば、出足好調の要因は2つ。ASEANの成長性、そして同氏の「グローカル戦略」だという。グローバルでありながら、ローカルの顧客の視点に立って商売をするとは、なにをすることなのか。

日本でオルビスは、インターネットの通信販売を主なチャネルとして活用してきた。しかしそれはオルビスというブランドが、26年かけて認知されてきたからこそできることだという。ASEANではまだ認知されていない。そこで、まずは顧客との接点を増やすために優位な場所に1店舗目をオープンさせた。

店舗があるのは、シンガポールのショッピングの中心地オーチャード。小売り大手の百貨店ロビンソンズの1階に店を構えた。横山氏いわく、日本から進出してきたばかりのオルビスがこの場所を取れたことは、業界でも反響は大きかったという。個人的な人脈があったのは大きかったが、オルビスというブランドを理解してもらうための啓蒙、出店の説得に時間を費やしたそうだ。

オーチャードにあるロビンソンズ1階の店舗

「顧客との接点として店舗からブランドを発信し、陸続きのASEANのほかの国にも認知を広げていく。ASEAN経済統合の流れも生かす」という(横山氏)。ちなみに、2店舗目をビシャンという郊外に構えたのは、中近東はじめ、周辺国への進出を見据えてのこと。中近東の人々やマレーシア人、インドネシア人などが多く住むエリアで成功することが、その足掛かりになると考えている。

ビシャンにある店舗で働く女性店員

また、シンガポールは熱帯雨林気候。オイルフリースキンケアブランドやUV関連商品は強い支持を得ている一方、一年中夏で季節感がないため、店舗の演出も飽きられてしまいやすい。そこで、「52週マーチャンダイジング戦略」と称して、毎週店舗を訪れても顧客がワクワクできるように、カフェテリアにあるようなショーケースを設けるなど、演出を施している。現地のブロガーに好評だという。

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