外部からスカウト、資生堂が異例のトップ人事 スカウト社長の誕生は73年ぶり、2度目

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
4月1日に16代目社長に就任する魚谷雅彦氏(左)と前田新造会長兼社長

化粧品国内最大手の資生堂が、大胆なトップ交代に踏み切る。20143月末に現・代表取締役会長兼執行役員社長の前田新造氏(社長在任056月~113月、134月~)が執行役員社長を退任。41日付けで、マーケティング統括顧問の魚谷雅彦氏が16代目の社長となる。魚谷氏は6月下旬開催予定の定時株主総会を経て代表取締役に就任する。前田氏は同じ株主総会で会長を退任し、相談役に退く。1224日開催の取締役会で決定した。

1872年創業の資生堂が外部出身者を社長に据えるのは実は、2度目。創業者・福原有信氏の三男で株式会社化後の初代社長、福原信三氏(社長在任:192740年)が海外百貨店での勤務経験がある松本昇氏(1917年入社、社長就任は194011月、19546月に死去し退任)を、当時在籍していた三越からスカウト。支配人、専務を経て自身の後任社長に指名して以来、73年ぶりだ。

とはいえ松本氏は取締役を経ての社長就任。134月にマーケティング統括顧問になったばかりの魚谷氏と同列には論じられない。実質的には、今回の魚谷氏が初の外部人材の社長起用といっていい。

国内立て直しにメド

資生堂は冴えない業績が続いている。今20143月期は、為替円安効果で海外販売が伸び増収を見込むものの、国内事業の構造的な減収が止まらない。人件費やマーケティング費等の抑制で営業増益を見込むが、成長路線にはほど遠い。

次ページメドをつけた在庫削減策
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事