東海道新幹線、30年で本数はこんなに増えた 来春から「のぞみ」は1時間に最大12本も走る

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JR東海は今年4月18日、1時間当たりの「のぞみ」の運行本数を最大12本に増やす「のぞみ12本ダイヤ」を2020年春に導入すると発表した。N700Aタイプへの車種統一により、全列車の最高速度が時速285kmとなるのに合わせて各種設備の改良に取り組み、ダイヤを刷新する。

現在は1時間当たり「のぞみ」が最大10本の「のぞみ10本ダイヤ」で、これが2本増えることになる。「ひかり」は2本、「こだま」は3本で変わらず、東京駅発車時点での1時間当たりの最大本数は17本となる。平均すれば3.5分に1本で、通勤電車並みだ。

では、東海道新幹線の輸送力はJR化以降、どこまで増えたのか。

30年前は1日平均231本

1987年度、JR東海が発足した当時の東海道新幹線の運行本数は、同社の資料によると1日平均231本だった。内訳は「ひかり」が143本、「こだま」が89本(端数処理により合計とは必ずしも一致しない。以下同じ)。1992年に「のぞみ」が登場すると1日平均276本まで増えた。「のぞみ」は当初1日2往復の運行で、翌1993年春のダイヤ改正で1時間当たり1本になった。

「リニア・鉄道館」に保存されている100系の2階建て食堂車室内(撮影:尾形文繁)

この当時走っていた車両は、初代「のぞみ」の300系、2階建て車を連結した100系、そして開業時からの0系だ。全列車の座席定員が1323人で統一されている現在とは異なり、当時は列車によって座席数が異なっていた。

東海道新幹線の輸送量は1991年度をピークに一時期減少傾向だったこともあり、1999年度にはいったん269本まで減る。一方で「のぞみ」の運行本数は1996年春のダイヤ改正で1時間当たり2本、2001年秋には最大3本に増えた。

大きく変化したのは2003年だ。同年9月に100系が東海道新幹線から引退し、全列車の最高速度が時速270kmに統一。10月1日の品川駅開業と同時に実施されたダイヤ改正で「のぞみ」は1時間当たり最大7本となり、「ひかり」との本数がついに逆転した。2003年度の平均列車本数は1日275本で、そのうち「のぞみ」は101本、「ひかり」は93本だった。

「のぞみ」はその後、2005年春のダイヤ改正で1時間当たり最大片道8本に増え、さらに2009年には片道最大9本に増加。1日当たりの平均列車本数も2009年度には341本となった。6年で60本以上増えたわけだ。

当時は景気の低迷により新幹線の輸送人員が一時的に減少し、1日の運行本数も若干減ったものの、「のぞみ」が1時間当たり片道最大9本という基本は変わらなかった。2010年には、座席位置などが異なっていたJR西日本の500系が東海道新幹線の運用から撤退し、全列車を同じ座席配置の車両で統一した。

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