ホンダ新型「N-WGN」はN-BOXと何が違うのか 正しい運転姿勢を保つための工夫も加わった

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象徴的なのが、後ろのドアの仕組みだ。N-BOXがスライドドアであるのに対し、N-WGNはヒンジドアである。すなわちN-BOXはミニバンのように実用性重視のドア方式で、N-WGNは乗用の4ドアセダンのような使い勝手であるのがわかる。

例えば、個人が1人で利用する場合、スライドドアよりヒンジドアのほうが、後席へかばんを置いてから運転席に乗るといった場面での開け閉めが容易だ。パッとドアを開け、かばんを放り込み、すぐに閉じられる。スライドドアは、開けたドアが車体側面へ出っ張らない便利さはあるが、開け閉めには時間がかかったり、作動が重かったりする。

外観の造形においても、N-BOXがミニバン的な顔つきであるのに対し、同じハイトワゴンであるとはいえ新型N-WGNのほうが乗用車的な表情になっている。新型N-WGNの顔つきは、より俊敏な運転感覚をもたらしそうな軽快さがあり、背の高さをあまり意識させない。

特筆すべきはハンドルのテレスコピック機能

新型N-WGNの事前情報で伝えられる限られた内容の中でも筆者が注目したのは、ホンダの軽自動車では初採用となる、ハンドルのテレスコピック機能が採用された点だ。テレスコピック機能とは、ハンドルの前後位置を調節できる機能であり、ほかに、ハンドルの上下の高さを調節できるチルト機構というのもある。

従来、軽自動車や小型車では、チルト機構は採用されてきたが、テレスコピック機能は採用されてこなかった。これにより、正しい運転姿勢がとりにくい人が多かったはずだ。

正しい運転姿勢とは、まず、ブレーキペダルを床までしっかり踏みつけた状態で膝にゆとりを残す位置に座席の前後調整を行う。次に、ハンドルの頂点を両手で持ち、ひじにゆとりが残る位置まで座席の背もたれを調整する。

ところが、軽自動車や小型車では、小柄な人でも運転しやすいようにとペダル配置とハンドルの位置が設計されている。私は身長166cmだが、それくらいの背丈でも、ペダルが近くハンドルは遠すぎる状態になり、ペダルを間違いなく踏める位置に座席を合わせると、背もたれを垂直近くに立てなければハンドルに手が届かなくなる。

その姿勢では、背中が立ちすぎてかえって状態が安定しない。かといって、ある程度角度をつけながらハンドルに手が届くよう背もたれをあわせると、ペダルが近くなり過ぎて踏みそこないや踏み間違いを起こしそうになる。

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