日銀短観から読み取れるのは「景気は良くない」 非製造業は「駆け込み」が持ち上げただけ
総合的に見れば、製造業にとっては海外情勢(米中貿易戦争)、非製造業にとっては国内情勢(増税不安)が色濃く出たということではないだろうか。海外での製品需給判断は大企業こそ先行き持ち直しが見込まれているものの、中小企業は一段と悪化が見込まれている。恐らくこの動静は米中貿易戦争の行方次第といったところなのだろう。製造業も非製造業も「底入れ」を確認するような動きにはいまだなっておらず、短観の内容は「良くなかった」との受け止めるべきだろう。
楽観的な為替見通しの危うさ
意外感が強く、先行きへの危うさを抱かせたのは想定為替レート(大企業・製造業)が前回調査から円安に振れたことだ。想定為替レートは2019年度(通年)に関し、前回3月調査の108.87円から109.35円へ、50銭ほど円安方向へ修正されている。
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