偽ブランド品の横行が「昭和に逆戻り」する事情

規制強化しても輸入が後を絶たない根本理由

偽ブランド品の販売は業者から個人に移ってきている。写真は実際に販売されていた偽ブランド品。偽ブランドの排除活動を行なっている団体ユニオン・デ・ファブリカンの協力を得て撮影(筆者撮影)

インターネット通販(EC)やフリマアプリの台頭により、個人でも国内はもとより海外のサイトや業者からも気軽に商品が買えるようになった。その一方で、気がつかぬうちに偽ブランド品を購入してしまう、商品が届かないなどのトラブルが後を絶たない。

ネットショッピングでの偽ブランド品などに関するトラブルの相談件数は増加。消費生活センターへの相談は2016年の1475件から2018年には約7割増の2504件になっている。

世界的な侵害品流通量も増加傾向だ。今年3月にOECD(経済協力開発機構)が発表した知的財産を侵害する偽ブランド品や海賊版などの2018年度貿易額は5年前から480億ドル増の5090億ドルへ拡大。OECD統計は押収額を基に算出されるため捕捉されていない侵害品もある。

かつて偽ブランド品といえば、業者を介した大口輸入が主流で、1970年代には大手百貨店で有名ブランドの偽造ネクタイが大量に見つかり問題となった。偽ブランド品を大量に卸している業者の存在や認識の甘さを突かれた形だった。

業者を介した大量仕入れ、大量販売が主流の時代から、現在はECサイトやフリマアプリのCtoC(個人間取引)市場の発達で海外から日本の消費者に直販できるようになっている。店頭などでの排除は進んだが、手口を変えて、横行する偽ブランド品の販売はある意味で昭和に逆戻りした形になっている。

フリマアプリでは同一商品や同一ジャンルの商品を数多く出品する“セミプロ”のような、業者に極めて近い個人といった出品者も出てきている。海外などから少数ずつ輸入して国内サイトで個人を装って販売する、というケースもあるようだ。

摘発は難しくなっている

販売ルートは多様化するなかで、荷物が小口化し、検査の手間が増えて摘発が難しくなっている。前出のOECD統計でも小型小包が総容量の69%(2014~2016年)を占めていた。

日本の現行法では個人使用のための偽ブランド品の輸入は違法にはならない。越境ECなどでは税関を通るときすでに個人使用目的での輸入品になっている。税関が偽ブランド品を発見しても個人使用目的であることが認められると、荷物はそのまま送られることになる。

小口での輸入は従来の店や倉庫を構える手法と違い、少数ずつ輸入するため摘発時の損害が小さい。さらに個人利用目的を盾に言い逃れがしやすい事情もある。国内に販売拠点が少なくなったことで「叩く(摘発する)場所がなくなった」(財務省関税局)状況にある。

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