年収2100万円!「キーエンス社員」は激務なのか 現役社員やOBが明かした「働き方の実態」
「やるべきことは多く、時間が足りないとよく思う」(関東地方配属の20代社員)と業務量は少なくない。だが、オフィスの照明やPCの電源が切られるため、残業はどんなに遅くても午後9時30分まで。OBによれば業務で使用する携帯電話は持ち帰れず、家で仕事をすることはないという。「時間内で業務を終わらせられるよう生産性を上げることが何よりも重要。1時間当たり、どれぐらいの付加価値を出せるかが求められる」(30代の元社員)。
午前8時には出社し、午後9時半に帰宅するということは、1日の勤務時間が13時間以上となる。激務のように感じるが、複数の現役社員は「土日や連休にしっかり休めるから苦ではない」と語る。
実際に営業カレンダーをみると年に2回程度の土曜日出社が求められるが、それ以外の土日祝日は休みで、ゴールデンウィーク中や8月、年末年始には10連休程度の休みがある。「外部が思っている以上に意外とホワイトですよ」(中部地方配属の20代の社員)。
「最近は働き方改革の流れもあるのか、(上司から)有休取得を勧められることもある」(前出の関東地方配属の20代社員)。残業も必ず午後9時半までやるわけではなく、「早く終われば午後7時くらいに帰っても何か言われるということもない」(30代の現役社員)。あるOBは「社外の人と話していると高い年収をもらっているのだから、ブラック企業なのだろうと固定観念を持つ人が多い」と勝手なイメージが先行しているとの感想を話す。
GPSを使って労務管理?
世間でブラック企業と噂されるもう1つの理由が、労務管理が厳しいのではないかという見方だ。ネット上ではキーエンスの営業車が高速道路を猛スピードで走る動画が拡散され、競合他社からは「FA業界の宅配業者」と製品を速達する運び屋と揶揄する声も出る。一部報道では営業車にGPSが搭載され、10分単位で時間を監視されているとの話が伝わる。
ある現役社員は「年に数回行われる内部監査で、会社に提出していた営業時間と実際の時間にズレがあったとの指摘を受け、(営業車に)GPSがついていると思った」と話す。
一方、キーエンスの経営情報室長の木村圭一取締役は「カーナビのシステムにGPSはあるが、労務管理のためにGPSを営業車につけたり、利用しているというのはまったくのデマ」と主張する。
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