買い替え時にひと工夫、定期券の「ケチケチ術」 通勤だけでなく休日の外出にもうまく使おう

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以前の記事「特急料金、1駅ずらせば数百円も節約できる」にて、50km刻みで変わる料金制度を活用し、特急の乗車区間を1駅ずらすだけで数百円程度節約できる話を紹介したが、これはグリーン料金にも言えることである。

例えば大船―新宿53.2km(グリーン定期券で1カ月6万7440円)なら、戸塚―新宿47.6kmだけグリーン定期券を5万4790円で購入し、大船―戸塚間の5.6kmは普通車用定期(1カ月4850円)にすれば計5万9640円となり、7800円も安くなる。これは大船発だけでなく、藤沢以西や北鎌倉以南からでも戸塚で分割すれば同じだ。

ケチケチ術で生活防衛

中央線は今年3月のダイヤ改正で「中央ライナー」「青梅ライナー」が廃止されて特急に変わり、事実上の値上げとなった(筆者撮影)

こんなことまでしてグリーン定期代をケチる前にライナーに乗るからいいよと思ったそこのあなた! 確かに今はそれでいいかもしれないが、首都圏のJR各線はライナーを全車指定席の特急に改め、着席料金をライナーの1.5~2倍に吊り上げている現状をご存じだろうか。

常磐線に始まり、最近では中央線の「中央ライナー」「青梅ライナー」の特急化と実質的値上げが記憶に新しい。JR東日本は最近「どこまで、行けるか」というキャッチコピーのCMやポスターを作成しているが、通勤客向けの着席料金アップについても「どこまで、行けるか」なんて考えているかもしれない。節約できる方法を考えておくに越したことはない。

いかがだったであろうか。前々回の記事あたりから圧倒的多数の好意的な反応をいただきありがたい限りだが、それでも中には「ケチくさすぎて気持ち悪い」「そんなことしていたら女に嫌われる」などといったコメントがあった。

ならば言わせてもらおう。経団連会長やトヨタ会長などの発言によって「日本はもう大企業ですら終身雇用が守れない」ことが明らかとなった今、ケチにならずして、デートや結婚生活が営めると言うのだろうか!? 共感いただけた方はぜひご一緒に、ケチの美学を広めようではありませんか!

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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