TATERUの業務停止処分は「厳しすぎ」なのか

「資料改ざん」発覚で事業の継続性も不透明に

同社は2006年に創業し、2015年12月に東証マザーズに上場した。そのビジネスモデルは独特だ。自社のアパート経営サイト「TATERU Apartment」(タテルアパートメント)を通じて、賃貸経営を希望する人に土地やアパートの建築、賃貸管理まで一貫してあっせんするというもの。

自社で不動産や大がかりな営業部隊を抱える必要がないため、効率的に経営をすることができる。上場以来、売上高を毎年50%以上ずつ増やし続け、ピークだった2017年12月期のROEは51.3%と上場企業としてトップ水準にあった。

業績の成長はうそにまみれていた

だがその内実は、すべてと言わないまでも、一部はうそにまみれたものだった。2018年8月、資産を多く持たない個人顧客に賃貸アパートを建てさせるため、顧客の預金残高を改ざんしていたことが発覚した。

昨年12月27日に開示した特別調査委員会の調査報告書によれば、その数は上場以来、2269件中350件に及んだ。調査報告書は「販売目標達成必須・率直に物を言えない企業風土が不正行為の土壌になった」と指弾している。

報告書を受け、TATERUは融資資料改ざんに関わった営業担当者31人を解雇したほか、役員報酬の返上や再発防止策を講じた。

国土交通省関東地方整備局はTATERUの行政処分を決める聴聞会を6月21日に開いた(記者撮影)

だが、宅建業者を所管する国交省の怒りは収まらなかったようだ。6月21日の聴聞会では、同社が扱った2015年7月以降の336件の物件について、営業部長や部長代理など31人の社員が買い主の自己資金を示す書類を改ざんし、金融機関に提出して 融資承認を得たことを認定した。

そのうえで、「宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした」として、TATERUに対して1年以内の業務停止処分を下す意向を示した。

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