ビートたけしの離婚から学ぶ「財産分与」の方法 婚姻中に築いた財産はすべて「分与の対象内」
タレントのビートたけしさんが、妻との協議離婚が成立したと6月12日、一斉に報じられた。各報道では、財産分与についても触れており、デイリースポーツは「たけしの財産は、ほぼ全額幹子夫人に分与された」と、報じた。幹子さん側はこれらの報道について、「当方の認識とは全く異なります」と否定している。
通常、財産分与では「夫婦で半分」が原則となるはずだが、割合はどのように決まるのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。
財産分与には3種ある
「お笑いBIG3」「世界のキタノ」の離婚報道ですが、詳細な情報も乏しく、夫婦のことはお二人しかわからないことなので、具体的なコメントは差し控えます。そこで、今回は、あくまでも一般論として「財産分与」の解説をしたいと思います。
夫婦は家庭生活を共にし、その中で協力して財産を築いていくことが通常です。夫婦で築いた財産は、共有の財産といえますから、離婚の際に、2人で分割することになります。これを「財産分与」といいます。
なお、一言で「財産分与」といっても、(1)清算的財産分与、(2)扶養的財産分与、(3)慰謝料的財産分与の3種があります。詳しく説明していきます。
(1)最も多いのが「清算的財産分与」
財産分与のうち、最も多いのが「清算的財産分与」です。結婚している間に、夫婦で協力して築いた財産について、貢献度に応じて公平に分配しようというルールです。
「貢献度」といっても、夫婦間に収入の差があったり、妻が専業主婦であっても結婚している間はその家庭生活を夫婦で協力して築くのが通常ですから、基本的に貢献度は夫婦2分の1ずつ、とみなされます。預金や不動産など、いずれの名義いかんにかかわらず、半分ずつです。
あくまで2人の財産を2人で分けましょうという考え方に基づくものです。そのため、浮気をしたほう(いわゆる「有責配偶者」)からの請求でも認められることになります。