対米投資に人口増とシェールガス革命の恩恵

日本企業の海外戦略変化も

1月17日、人口拡大とエネルギーコストの低下が続く米国市場が、日本企業の新たな投資先として魅力を高めている。写真は2011年8月、都内で撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 17日 ロイター] -人口拡大とエネルギーコストの低下が続く米国市場が、日本企業の新たな投資先として魅力を高めている。世界一の資本市場としての洗練度は言うまでもないが、生産拠点としての見直しが進む中、米企業の一部には海外から資本を回帰させる動きも出始めた。

日本企業の海外投資やM&A(企業の合併・買収)にとって、米国戦略は中期的に一段と重要性を増すとの見方も少なくない。

今週初めに発表されたサントリーホールディングスによる1兆6500億円の米ビーム買収合意。サントリーにとっては、ビーム社のブランド価値や新興地域でのウィスキー市場の将来性が決め手となったが、同時に投資先として米市場の新たな将来性を物語る事例になったとも言えそうだ。

米国は中南米などからの移民流入で国内人口が拡大しており、消費市場としての将来性が高まっている。さらに、シェールガス革命の恩恵によるエネルギーコストの低下が目立っており、生産拠点として、新興国にも劣らない競争力が出ていると言われる。

米国進出や同国での事業強化を進める日本企業は、「人口増によるマーケット拡大」、「魅力が増す商圏規模」などを挙げる。資金調達をする資本市場に厚みがあるだけでなく、投資や売却の案件が豊富で、ビジネス展開の環境が一段と改善しつつある。

国内エネルギー市場の強みは、シェールガス生産の拡大によるコスト低下だけではない。国際エネルギー機関(IEA)によると、米国は2015年までにサウジアラビアやロシアを抜いて世界最大の産油国になる見通しだ。シティグループ証券の藤田勉副会長は、「米国の原油価格は日欧より10─20%低く、米国とカナダを合わせアメリカ内陸部では石油が余っている状況だ」と指摘する。

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、米国内で調達できる安価なエネルギーと拡大する消費市場の存在の恩恵をまず受けるとみられるのが、アルミニウム、鉄鋼といった素材の生産だ。最新鋭の技術や設備を取り入れたプラントの建設が見込まれており、川下の製造業にとっての魅力は今後も続く可能性がある、という。

ジェトロによると、日本から北米の対外直接投資(国際収支ベース)は、2013年1─9月期、米国・カナダの合算で前年同期比63%増の396億ドル。2012年の年間ベースの投資額(357億ドル)を9カ月間で上回った。中国、香港、オーストラリアなどへの対外直接投資が2ケタ%の減少だったのとは対照的。伸び率が8%にとどまった欧州への対外投資も大きく引き離している。

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