マツキヨVSスギ!ココカラ争奪戦の複雑事情

ドラッグストアは新たな競争領域に突入する

ココカラとスギは、7月末までに経営統合に関する基本合意書の締結を目指す。他方、ココカラとマツキヨは、9月までに最終契約の締結を目指す。マツキヨ・ココカラ・スギの連合、つまり3社統合については、現在3社とも可能性を否定している。

マツキヨ、スギ両社と経営統合を含めた提携の内容を総合的に判断するため、ココカラは特別委員会を設置する。委員の構成や設置時期は現時点では未定としている。

ドラッグストア再編の引き金を引いたココカラ

ドラッグストア再編の号砲が鳴った背景には、業界の成長に陰りが見えてきたことがある。2018年度のドラッグストア業界の市場規模は、前年度比6.2%増の7兆2744億円(推計、日本チェーンドラッグストア協会調べ)。市場は2000年度の約2兆6630億円から、20年弱で2.7倍に拡大した。

順調に成長しているようにも見えるが、コンビニやGMS(総合スーパー)などとの競争は激しさを増している。「売上高上位8社のうち半数以上の会社が既存店の客数を維持できておらず、一部では出店ペースに減速感が出ている」(野村証券の成清康介アナリスト)。出店数が増えたせいで、スギの経営企画本部担当者も「かつてドラッグストアの商圏は1店舗あたり1万人だったが、いまや6000人程度にまで狭くなっている」と指摘する。

このような状況下、「再編の引き金を引くのはココカラだ」というのが業界関係者のもっぱらの見方だった。ココカラは関東のセイジョーと関西のセガミが統合して2008年に設立。その後、ジップドラッグやライフォートなどを傘下に加えたが、十分なグループシナジーを出せていなかった。

ただ、ココカラは管理栄養士が健康相談にのる「予防、未病領域」、処方箋医薬品を扱う「調剤」、訪問介護・看護などの「介護、終末期領域」という3つの領域を備える強みがある。「今後成長が期待されるこの3領域がそろっているのはココカラと当社ぐらいだろう」(スギ経営企画本部)。また、業界ではココカラはオーナー色が薄く、経営統合がしやすい相手だと見られていた。そういったココカラに目をつけたのが、ともにオーナー色の強いスギとマツキヨだった。

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