iPhoneのアプリは新世代でここまで進化する 「iTunes終焉説」はミスリードだ

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iPhoneやiPad、MacのApp Storeには、毎日更新されるアプリ紹介記事が掲載されている。これはAppleが擁するApp Store専任の独立したエディトリアルチームが、日々の開発者への取材や記事の編集に携わっている。開発者が作り出した新しいアプリをまず発見し、その体験をユーザーに伝える役割で、各国向けにローカライズも行う。

Apple Watchアプリのおすすめのキュレーションについても、同じ編集チームが取り組むが、iPhoneやMacのように長い記事を読む環境にない。これはApple TVにも共通していることだ。

そのため、Apple Watch向けにはおすすめアプリを選び、アプリ紹介画面で画面キャプチャーによるイメージを伝え、その場でダウンロードできるようにしているという。

開発者との関係性にも配慮?

現在アメリカでは、App Storeを巡り、アップルが独占的な立場でアプリ価格を高止まりさせ消費者の不利益を生んでいるとの集団訴訟が進行している。また音楽ストリーミングサービス最大手のSpotifyは、アップルの30%の手数料が高いと主張している。

5月28日にアップルは、App Storeのビジネスについて、英語の説明ページを公開した。そのページでは、これまで知られざるアプリレビューの方法や、毎週10万本というレビュー本数と却下の理由などを説明した(参考記事:「iPhoneアプリ」なぜ4割が審査を通らないのか)。

WWDCを訪れる開発者に聞いてみると、おおむねApp Storeのルールについて大きな不満を持っていないようだ。個人を含む多くの開発者が、App Store以前にはありえなかった「アプリの世界販売」を実現しており、App Storeがなければ、今のビジネスも、収益も、キャリアも存在しえなかったことを理解しているからだ。

もちろんアップルはそうした開発者のアイデアや創造性をiPhoneの価値としてアピールし、開発者の収益を支援するウイン・ウインの関係を9年にわたって築いてきた。

その一方で、アップルは、時には優れたアプリ企業を買収することもあるが、iOSに標準的に搭載されているアプリに関して、他社のアプリのよい機能を取り入れてきた。

例えばSiriやApple Musicといった現在のiPhoneにおける主要機能・サービスも、かつて買収した企業のものであるし、ShazamやTest Flightもそうだ。

その一方で、例えばメールアプリのスワイプ機能は、2013年に公開して1カ月でDropboxに買収された「Mailbox」で人気を博した機能であった。またメモアプリは、Evernoteをベンチマークとして作られており、Mac向けメモではEvernoteからのインポート機能を備えるほどあからさまだ。

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