「ふるさと納税」法改正がむしろ歓迎される理由 ルール強化でふるさと納税は進化していく

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――災害が起きた自治体に返礼品なしで寄付するものや自治体が抱える問題の解決に焦点を当てた、「ガバメントクラウドファンディング」と呼ばれる新しい形のふるさと納税も出てきています。寄付金が1人親家庭を支援する「こども宅食」の運営資金となる仕組みなどがあります。

十分ありうる。ふるさと納税は、「お得だから」との理由で始めた人が多い。だが、はじめは返礼品が欲しいからと寄付した人でも寄付金の使途報告を受け、「こんなに地域に寄与している」と、あらためて地域貢献につながっていることを認識する人が少なくない。

一定のルールができて、「より地域に貢献できるように」と考える人は増えてくるだろう。実際に、ガバメントクラウドファンディングのプロジェクト数も寄付金額も、ものすごい勢いで伸びている。

市場がさらに伸びるには使い道がカギ

――ふるさと納税の市場が大きくなり、都市部などに本来入るべき税収が失われているとの指摘もあります。

共通ギフト券などであおられて出ていく税収はたしかに良くない。ただ、ここまで広がったのであれば、その使い方が試される。(受け取ったふるさと納税で)認定こども園を無料化して人口増につなげたり、域外の人も利用する公園や図書館の整備に充てたりといったいい例もある。

市場がもう一段成長するかどうかは、使い道にかかっている。「お得だからふるさと納税を利用します」という人たちや、そこを狙っている自治体だけだと、今後の成長はないだろう。

ふるさと納税で地方が元気になっているという姿を見せることができれば、もう一段階市場が伸びる。自治体や関係者の姿勢や取り組みが、今後あらためて問われることになる。

佐々木 亮祐 東洋経済 記者

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ささき りょうすけ / Ryosuke Sasaki

1995年埼玉県生まれ。埼玉県立大宮高校、慶応義塾大学経済学部卒業。卒業論文ではふるさと納税を研究。2018年に入社、外食業界の担当や『会社四季報』編集部、『業界地図』編集部を経て、現在は半導体や電機担当。庶民派の記者を志す。趣味は野球とスピッツ鑑賞。社内の野球部ではキャッチャーを守る。Twitter:@TK_rsasaki

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