円高進み1ドル=108円後半、リスク回避強まる 米国の対メキシコ関税で4カ月ぶりの水準
[東京 31日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の108円後半。朝方に伝わったトランプ米大統領による対メキシコ関税の報道を受け、リスク回避の円買いが広がり円が全面高となった。ドルが約4カ月ぶり安値に沈む一方で、米長期金利は1年8カ月ぶりの水準まで低下した。
トランプ大統領は日本時間の朝方、ツイッターに「(メキシコからの移民)流入が容認されている状況は緊急事態であり、米国の安全保障と経済に対する緊急の脅威に相当する」と投稿し、6月10日以降メキシコからの全ての輸入品に5%の関税を課し、移民の流入が止まるまで関税率を段階的に引き上げると表明した。
同報道をきっかけにメキシコペソが急落し、続いてクロス円相場が下落。実需のフローで底堅さを保っていたドルもついに109円を下回り、108.87円と2月1日以来の安値をつけた。
メキシコペソ<MXN=>は1ドル=19.1467ペソから19.635ペソまで下落した。現在は19.60ペソ付近で前営業日比で2.37%安となっている。
ユーロ/円は高値122.01円から121.17円まで下落。英ポンド/円も138.22円から137.34円まで下落した。
米国では通商代表部(USTR)が30日、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」実施法案の骨格となる「行政措置の声明案」を議会に提出していただけに、突然の関税賦課表明には驚きの声があがった。
市場では「USMCAが今後どうなるのかなど、詳細が良くわからない。メキシコにとって非常に厳しい話であることは間違いないが、大統領が決断を見直すことは今までにもあったので、中期的な影響はまだ見極めづらい」(外銀)との指摘が出ていた。
一方、中国国家統計局が発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は景況拡大と悪化の分かれ目となる50を割り込み、市場予想も下回り、この日のリスク回避の流れに沿う結果となった。 製造業PMIは49.4と、4月の50.1から低下。ロイターがまとめたアナリスト予想は49.9だった。
ドル/円<JPY=> ユーロ/ドル<EUR=> ユーロ/円<EURJPY=>
午後3時現在 108.92/94 1.1129/33 121.22/26
午前9時現在 109.32/34 1.1127/31 121.67/71
NY午後5時 109.60/63 1.1130/31 121.98/02
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