JR中央線と京王線、着席通勤ならどちらを選ぶ? 新型車両投入しサービス向上に切磋琢磨

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2015年2月4日、JR東日本はプレスリリース「中央快速線等へのグリーン車サービスの導入について」を発表し、2020年度をめどに東京―大月・青梅間で「普通列車グリーン車」を運行する計画を明らかにした(その後、サービス開始予定時期を2023年度末に延期)。

仮に「中央ライナー」「青梅ライナー」および特急自由席が「普通列車グリーン車自由席」導入後も存続した場合、ライナー料金および自由席特急料金が、「普通列車グリーン料金」よりも安い状況が生じるところであった。

実際、高崎線では「ホームライナー鴻巣」や特急「あかぎ」自由席特急料金100kmまでは「普通列車グリーン料金」よりも安い状況にあったが、2014年3月15日の全車指定席特急「スワローあかぎ」の登場で、通勤時間帯の特急料金と「普通列車グリーン料金」の格差がほぼ解消された。

さらに、2015年3月14日には常磐線特急が全車指定席化され、特急料金が「普通列車グリーン料金」よりも安い状況がほぼなくなった。中央本線でも特急自由席および「中央ライナー」「青梅ライナー」が廃止され、「普通列車グリーン料金」よりも安い特急料金やライナー料金が存続する状況は回避された。

「はちおうじ」導入で実質値上げに

「はちおうじ」では特急料金(事前料金)750円(えきねっとチケットレスは100円引き。以下、同じ)と50%弱の値上げとなった(なお、「おうめ」では50km超の区間があり、その場合の特急料金は1000円となった)。

ただし、料金変更に規制がある場合、いくら鉄道事業者が望んだとしても、料金変更は容易ではない。しかし、在来線特急料金の変更は届出で済み、国の認可が不要である。JR東日本が在来線特急の全席指定席化を進めるうえで、規制がないことが有利に働いていることは間違いない。在来線特急料金に関する現行制度の下では、消費者保護を図ることは困難である。

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