JR中央線と京王線、着席通勤ならどちらを選ぶ? 新型車両投入しサービス向上に切磋琢磨

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

しかしここで気になるのは、値上げによって乗車人員減が起これば、減収となる可能性である。2019年3月15日運行終了時点の「中央ライナー」はE257系0番台で運行された。11両編成時の座席定員は普通車650人、グリーン車28人であった。

特急「はちおうじ」に使われるE353系普通車の車内(編集部撮影)

「中央ライナー」では普通車510円、グリーン料金720円であったため、満席の場合の料金収入は約35万円(税込。以下、同じ)である。一方、「はちおうじ」はE353系で運行され、12両編成時の座席定員は普通車644人、グリーン車30人である。仮にきっぷの購入割合を、普通車について事前購入50%、「えきねっとチケットレス」40%、車内購入10%、グリーン車については事前購入・車内購入60%、「えきねっとチケットレス」40%とそれぞれ想定した場合、満席時の料金収入は約51万円である(「えきねっとチケットレス」の料金は650円で計算。以下同じ)。

実際に乗車してみると…

4月のある平日に、中央本線八王子6時16分発「はちおうじ2号」東京行きに乗車した際、立川でほぼ満席となった。その後、新宿で下車したのは約20%で、大半は東京まで乗車した。そして、東京20時15分発「はちおうじ5号」八王子行きに乗車した際には、東京出発時点の乗車率が約30%、新宿出発時点では約70%となった。

「はちおうじ」での乗車率70%の料金収入は約36万円である。つまり、「はちおうじ」は乗車率70%で、「中央ライナー」満席時とほぼ同額の料金収入を確保できることになる。なお、6月30日まで「えきねっとチケットレス」限定で普通車指定席が300円割引(通常割引額は100円)のキャンペーン価格で利用できるため、キャンペーン終了後に通常料金650円となった場合の乗車率についても確認する必要はある。

「はちおうじ」上り列車では新宿での下車は比較的少なかったが、下り列車では多くの乗車があった。通勤・通学時間帯の中央本線新宿では一般列車での着席がほぼ不可能なためであろう。また、平日夕方以降の特急「あずさ」「かいじ」についても、立川・八王子までの近距離客が乗車することに加えて、山梨や長野へ向かう長距離客も利用するため満席となることが少なくない。

次ページ対する京王ライナーは?
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事